February, 12, 2021, 福岡--九州大学数理・データサイエンス教育研究センター/芸術工学研究院の森史助教と理化学研究所(理研)数理創造プログラムの岡田崇上級研究員の研究チームは、ブーリアンネットワーク上の情報の流れをダイアグラムに基づいて展開する新しい理論を開発した。
神経回路などの生物系ネットワークやインターネットに代表される工学系ネットワークでは、一定の機能や目的を達成するために、ネットワーク上の様々な要素間で情報伝達が行われている。しかし、ネットワークのどのような特徴が情報伝達の性能(情報の流れの多さ)を決定しているのか、という基本的問題は未だに十分な理解がない。このような背景で、研究チームは、ブーリアンネットワークと呼ばれる抽象化された数理モデル上での情報の流れをダイアグラムに基づいて展開することに成功し、ネットワークの要素間の相互作用から情報の流れがどのように生成されるかを明らかにした。これにより情報伝達の観点から最適なネットワーク設計についての条件が得られた。
研究成果は、2020年12月29日に、米国のオープンアクセス科学雑誌『Physical Review Research』に発表された。
(詳細は、https://www.kyushu-u.ac.jp/)