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微小レーザ技術を使い液体の化学組成をテストするセンサを開発

June, 16, 2014, Vienna--ウィーン工科大学(TU Vienna)の研究チームは、微小レーザ技術を利用して、液体の化学組成をテストすることができる微小センサを開発した。
 赤外レーザビームが多様な分子に吸収されるので、液体や気体の分析に最適であると研究チームは説明している。例えば、血液中の酸素濃度計測に使用することができる。同大学は、プロトタイプではこの技術を微小化し、新しい種類のセンサに実装している。
 特殊設計の量子カスケードレーザ(QCL)と光ディテクタを同じプロセスで作製する。レーザとディテクタとのギャップはわずか50µm。このギャップは、金とSiNでできたプラズモン導波路でブリッジしている。この新しいアプローチにより、多用途の微小センサが簡単に、安価に生産できる。
 単純な固体レーザ、例えば赤色ルビーレーザは1つの材料でできている。一方、量子カスケードレーザ(QCL)は異なる材料系のレイヤを完璧に最適化することで実現する。そのようにして、レーザ波長の特性はチューニングできる。層構造に電圧が加わると、レーザが発光するが、その構造は逆方向にも機能する。つまり、光を照射すると電気信号が生成される。
 レーザと、そのレーザ波長に完全にマッチするディテクタ、つまり感度を持つディテクタを造る方法が開発された。
「両方のパーツはワンステップで造られるので、レーザとディテクタは調整する必要がない。すでに完全にアライメントできている」(Benedikt Schwarz氏)。
 従来のシステムでは、レーザ光は注意深く設置されたレンズを用いてディテクタに送られる必要がある。別の方法では、光ファイバを用いるが、その場合は光はファイバ内を伝搬し、環境との相互作用はない、したがってそれはセンサとしては使えない。
 TU Viennaで開発した新しい素子では、QCLとディテクタとの光結合は全く違った方法で機能する。それはプラズモン導波路であり、金とSiNでできている。「光が金表面の外側をガイドされ、光は金属内の電子と特別な方法で相互作用する。レーザとディテクタ間の途中の分子によって光が吸収できる理由がここにある」とBenedikt Schwarz氏は説明している。
 センサチップは、液体中に沈めることができる。光を吸収する分子が存在すると、検出される光強度の低下を計測することで液体の組成が分かる。センサは水とアルコールの混合物でテストした。水の濃度は0.06%の精度で計測できる。
 波長は層構造の設計変更に影響されるので、このセンサコンセプトは幅広い分子、例えば炭水化物、タンパク質に適用できる。化学、生物学、医療分析に多くの多様なアプリケーションがある。
(詳細は、www.tuwien.ac.at)