Science/Research 詳細

フル解像度8K映像を非圧縮で無線伝送

February, 5, 2021, 大阪--大阪大学とローム株式会社の研究グループは、共同で300ギガヘルツ帯のテラヘルツ波を用いることで非圧縮フル解像度8K映像の無線伝送に世界で初めて成功させた。

次世代の移動体通信規格6Gでは、8K等の超高精細映像を低遅延かつ低消費電力に伝送することが期待されている。しかし、超高精細映像のデータ量は膨大なため、マイクロ波やミリ波で無線伝送を行う場合にはデータ圧縮を行う必要があり、それに伴う遅延や消費電力の増大が課題となっている。そのため、超高精細映像を非圧縮で無線伝送する技術の開発が求められている。

研究グループは、従来のマイクロ波やミリ波では不可能な広い帯域を利用できる可能性がある300GHz帯のテラヘルツ波に着目した。データレート48 Gbpsの非圧縮8K映像信号を2チャンネルのテラヘルツ波で伝送するシステムを構築し、その広帯域性を活かし、シンプルなオンオフ変調方式によって、8K映像の無線伝送に成功した。

この研究成果はテラヘルツ波の有用性を示す成果であり、Beyond5Gから6Gへの実現に向けた研究開発の動きが加速することが期待される。

研究グループ
大阪大学大学院基礎工学研究科の冨士田誠之准教授、永妻忠夫教授、Julian Webber特任助教、大学院生の大城敦司さん(博士前期課程)、岩松秀弥(博士前期課程)、Daniel Headland特任研究員、大学院生の山神雄一郎(博士前期課程)、Alex Koala (博士後期課程)、基礎工学部学部生の伊豫田圭

(詳細は、https://resou.osaka-u.ac.jp)