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NTT、光のエネルギー損失が極めて少ないオプトメカニカル素子実現

February, 3, 2021, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)は、微小な機械振動子の内部に希土類元素の発光中心を埋め込むことにより、光のエネルギー損失が極めて少ないオプトメカニカル素子を実現することに成功した。
 光と機械振動が相互作用するオプトメカニカル素子では、両者のエネルギー損失時間の大小関係によって素子の振る舞いが決まる。従来のオプトメカニカル素子では機械振動のエネルギー損失時間よりも光のエネルギー損失時間が短いため、光を用いた機械振動の制御は可能だったが、その逆の機械振動を用いた光の制御は困難だった。
 今回、光のエネルギー損失時間が極めて長い希土類元素の発光中心を機械振動子に埋め込むことにより、光と機械振動の間のエネルギー損失時間の関係が逆転した新しいオプトメカニカル素子を実現することに成功した。これにより、機械振動を用いた光の制御が可能となり、これまで困難であったオプトメカニカル素子による光の増幅や発振が可能となることが理論的に示された。微小で非線形効果の大きなオプトメカニカル素子を用いたオンチップ光増幅器など、従来デバイスと比べて小型かつ高効率な省エネ光デバイスの創出につながる成果として期待される。
 研究成果は、米国の科学誌「フィジカルレビューレターズ」(米国東部時間1月29日付)に掲載された。