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レーサ光で船舶ペイントの状態を検出

February, 2, 2021, Copenhagen--赤外レーザ光で、DTU Fotonikの研究者は、船舶塗料の詳細な3D画像を作成できる。目的は、塗料の耐性向上、環境無害化である。

Christian Rosenberg Petersenは、数年前にある考えを思いついた。研究室の中だけでなく、船内の現場でも、赤外レーザを使って船舶塗料を調べられるかどうか確認を決定した。

その考えは、全く突然に顕れたのではなく、Ingeniøren.に発表した記事から生まれた。記事は、HempelとDTUの研究者が協働で開発し、テストした新しいタイプの船舶塗料に関するものであった。その耐久性と腐食保護が時間の経過とともにどのように進展するかを追跡するために電子顕微鏡で塗料サンプルを連続的に観察する方法をその記事は説明していた。

DTU Fotonikの研究者として、Petersenは、もっとスマートにできないかと考えた。

「われわれは、中赤外光を使ってセラミックス、紙、あるいはプラスチックなど様々な材料を透過して見ることができるシステムを開発し、それを示した。例えば、クレジットカードのチップ内を覗き見ることができる。Ingeniørenの記事を見たとき、われわれの技術が、船の塗料を見て、様々な塗料成分の厚さや分布の変化の度合いを観察するために使えるかどうかを確認することに関心があった」

小さなサンプルを切り取って、それらを研究室に持ち帰る代わりに、赤外光を使って、例えば船がドックに入っている間に、非破壊的に塗料の詳細な3D画像を撮ることができるかも知れない。

深く浸透するレーザ光
 DTU Fotonikでは、最良の光制御と光の利用について研究が行われている。Christian Rosenberg Petersenは、OCT技術の専門家である。OCTは、超音波スキャニングに似ているが、音の代わりに光だけを使う。

表面に対してレーザ光を放出すると、可視光の一部が材料に浸透し、その一部が材料の成分により様々に反射される。その反射光を集めてコンピュータで分析すると、その結果は、材料の内部構造を明らかにする画像である。

OCTで特徴的なことは、被検物と接触することはなく、比較的優れた解像度、数マイクロメートで3D画像が得られることである。

「ロボットアームでわれわれは比較的広いエリアをスキャンできる。制限は、85㎝のロボットのアーム。例えば、塗料が小さなバブルを含んでいるかどうかを見ることができる。また、接着剤に問題があるかどうか、その下部に最初の錆が形成されているかどうかを見ることができる」(Christian Rosenberg Petersen)。

そのプロジェクトは、SHIP-COATと名付けられた。2021年2月、可搬計測装置のフィールドテストが準備段階となる。
(詳細は、https://www.dtu.dk)