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カメレオンからヒントを得て、液晶を使い可変色材料を作製

January, 27, 2021, Chicago--カメレオンは、色を変える能力で有名である。体温あるいは気分次第でカメレオンの神経系は、ナノ結晶を含む皮膚組織を方向付け、伸び縮みさせることで,ナノ結晶が光を反射する仕方を変え、カメレオンの皮膚を虹色に変える。

シカゴ大学、Pritzker School of Molecular Engineering (PME)の研究者は、これからヒントを得て、様々な色を生成するために液晶を伸ばしたり緊張させたりする方法を開発した。

液晶小滴で満たしたポリマ薄膜を作り、それを操作することで研究チームは、色が変わるセンシングシステムの基礎を確立した。これは、スマートコーティング、センサ、ウエアラブルエレクトロニクスにも使える。
 研究成果は、Science Advancesに発表された。

薄膜を使い液体を伸ばす
液晶は明確な分子の方向性を示しており、すでに多くのディスプレイ技術の基礎になっている。分子工学Liew Family教授、Juan de Pabloとそのチームは、キラル液晶に関心を抱いた。これは、曲がりくねっており、一定の非対称「利き手」を持っていて、一段と興味深い光学挙動を示す。

これらの結晶は、いわゆる「青相結晶」を形成できる。これは、液体と結晶の両方の特性を持ち、場合によっては、液晶そのものよりも可視光をよく透過、反射させることができる。

研究チームは、こうした結晶は、伸ばしたり、緊張されたりして幅広い範囲の光学効果を生み出すように操作できることを知っていた。しかし、液体を直接伸ばしたり、緊張させたりすることができないことは分かっていた。代わりに、チームは、ポリマフィルムに微小な液晶小滴を入れた。

「その方法でわれわれはキラル液晶をカプセル化し、非常に特殊で制御性が高い方法で変形することができる。それにより、それらが持つ特性、どのような挙動を示すかを理解することができる」とde Pabloは話している。

温度と歪センサを作る
こうすることで研究チームは、これまで知られていなかった多くの異相(結晶の分子構成)を確認した。これらの相は、それらがどのように伸ばされ、あるいは歪まされるかに基づいて様々な色を生成する。あるいはそれらが温度変化に晒される時でさえ色が変わる。

「現在、その可能性は、実際、想像の範囲にある。これらの結晶を体温にしたがって色を変える布地、あるいは肘を曲げたときに色を変える布地にこれらの結晶を使うことを想像してみればよい」。

そのようなシステムを使って、例えば航空機の翼の歪を計測することができる。あるいは部屋、システム内の小さな温度変化を識別できる。

色の変化は、接触なしで、何かを遠隔から計測する非常に優れた方法となる。

研究チームは、その材料を歪や温度で操作したが、電圧、磁界、音響場でそれに影響を与える可能性もある。これは、これらの結晶でできた新しい種類の電子デバイスになり得る。

「われわれは、これらの材料の挙動の仕方を理解する基礎科学を手にしたのだから、それらを様々な技術に適用することを始める」とde Pabloは話している。