January, 27, 2021, St. Petersburg--極東連邦大学(Far Eastern Federal University)とITMO大学の研究チームは、以前に作製した金ナノ粒子を、適切な方法で光波長を制御するように最適化した。研究は、安価で高精度なガス分析器を開発するために使用できる。研究成果は、Applied Physis Lettersに発表された。
研究チームは、「ナノバンプ」と名付けられた半球金属ナノ粒子を安価に、簡単に作製する方法を開発した。
極東連邦大学工学部のAleksandr Kuchmizhakによると、研究チームは、パルスレーザ光で材料を直接照射することでナノ構造を作製する方法を提案。ガラス基板上の金薄膜を利用し,フェムト秒レーザパルスを集光させた。高強度パルスと極端な加熱速度により、サイズ数百ナノメートルの膜の小さな部分が液体になり、水力学と音響プロセスの結果、基板から局所的に分離した。レーザパルス強度をコントロールすることで、金属がこの液体状態にある時間を制御し、固化する形状を制御する。この方法で滑らかな金膜表面にナノバンプ、半球突起が作製される。これは、超高速で製造可能であり、1秒に1000万の速度である。
理想形状の探求
ナノバンプで第2高調波を生成することができる。こうして、それに到達する光の波長を変える。表面に到達することでフォトンは結合して、2倍のエネルギー、1/2波長の新しいフォトンを形成する。この方法で、赤色レーザでそのナノ粒子を照射すると反射する光は緑になる。それに続いて研究チームは、最適サイズ、形状、相互の位置を見つける必要がある。波長を変えるプロセスが最適な方法で起こるようにするためである。これは、他の同様の技術と比較して優位性がある。
この研究は,両大学共同で行われた。研究チームは、反射光の波長を制御するためにナノバンプの最適形状とサイズを探す数学モデルを開発した。次に、ベストのオプションを理論的に特定し、一連の実験を行って、結論を証明した。
ITMO卒業生、極東連邦大学エンジニア、Artem Cherepakhinは、「われわれは様々なサイズのナノバンプを作製した。それらを様々なアレイにグループ化し、それらの相互距離を変えて設置した。最終的に、単一バンプの最適形状を確定した。これは、金の均一膜に到達する光からの出力よりも14倍高い第2高調波出力生み出す。しばらく後に、表面におけるバンプの最適位置を確定し、金の均一膜に到達する光からの出力よりも110倍高い出力を得た」と説明している。
これの適用法
そのように効果的な方法で到達する光と相互作用する表面は、さまざまなセンサや物質の化学成分を同定する分析器に非常に役立つ。
「そのようなナノ構造の表面は、どんな環境の変化にも非常に敏感であるので、どの分子がその表面上にあるかによって高調波出力の変化を記録できるシステムに、それを利用したくなる。つまり、光との相互作用が、現在その表面にある物質の成分によって変化する。これはガス分析器や、溶液の濃度を特定するセンサに利用可能である」とSergey Makarovは説明している。同氏は、ITMOハイブリッドナノフォトニクス・オプトエレクトロニクス研究所長。
(詳細は、https://news.itmo.ru)