January, 25, 2021, Saudi Arabia--KAUSTとトロント大学工学部の国際研究チームは、ソーラパネルの性能向上のために、ペロブスカイトとシリコン技術の最良部分を統合することで両面タンデム太陽電池を作製した。
フィールドでは光は、主に直接太陽から来る。標準的なタンデム太陽電池は、従来型シリコンだけの太陽電池と比べると、光の追加波長を吸収することで、この光を電気に変換する効率はすでに高い。
今回、研究チームは、両面タンデム構造を使うことで、さらに多くのエネルギーを集められることに気づいた。地上から反射され、散乱される光、いわゆるアルベドも集めることができ、これによりタンデム太陽電池の電流を大幅に増やすことができる。
Nature Energyに発表された研究は、チームが開発したペロブスカイト/シリコンデバイスが、現在受け容れられているタンデム構造の性能限界をどの程度上回るかを正確に説明している。
「アルベドを活用することでわれわれは、標準的なタンデムよりも高い電流を生成することができる。製造コスト増にはならない」と研究の共同筆頭著者Dr. Michele De Bastianiは説明している。
間接的な太陽光を捉える潜在力は過去に研究されたが、実験的検証がなかった。KAUST研究者は、トロント大学、KIT、ボローニャ大学の研究者と協力して、モジュールのエネルギー収集力に間接太陽光を取り込むために必要な科学的、工学的課題を解決することができた。
この知識を手にチームは、屋外環境で両面タンデム太陽電池をテストし、商用シリコン太陽パネルを上回る効率を達成した。
「両面シリコンだけの太陽電池は、太陽光発電市場で急速にシェアを伸ばしている。相対的に20%の性能向上が可能となるからである。このコンセプトをペロブスカイト/シリコンタンデムで活用すると、手頃なコストで超ハイパワー生成に機会を開くことになる」とKAUSTのStefaan De Wolf教授はコメントしている。
(詳細は、https://www.kaust.edu.sa)