December, 15, 2020, 東京--東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所の今岡享稔准教授、山元公寿教授、同 物質理工学院 応用化学系の赤沼友貴大学院生らの研究グループは、環状白金チオラート六核錯体に銀イオンを包摂して結晶化することで、銀包摂前の錯体と比べて18倍の発光量子収率を持つ合金クラスター化合物を得ることに成功した。
合金クラスターの構造と発光メカニズムの相関関係について、光物理と理論計算の両観点から考察を行い、銀が中心に配位する白金クラスターの安定な分子軌道が発光効率の高さの鍵であることを明らかにした。
従来、バイオイメージング用の発光性材料として使われている量子ドット(QD)は、一般的にカドミウム(Cd)や鉛(Pb)、セレン(Se)のような有害元素を含むため、こうした有害元素を含まない量子ドット(QD)が望まれていた。
今回、研究で発見した白金(Pt)と銀(Ag)からなる微小なクラスターは室温で強い赤色~近赤外発光を示し、かつ凝集状態で消光しないことから、次世代のバイオイメージング材料への応用が期待される。
研究成果はAngewandte Chemie International Editionオンライン版に掲載された。
(詳細は、https://www.titech.ac.jp)