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光渦によるねじれ加工を実現し構造物形成過程の再現

December, 4, 2020, 福岡--光渦とは、らせん波面をもつ特殊な光波であり、従来の光がもたない軌道角運動量を利用した物質を回転させる効果があることで、物質操作やレーザ加工技術の発展が期待されている。従来の光渦研究の主な関心は加工後の表面形状であり、加工現象過程に関する研究は皆無で、物質のねじれ形成は未解明だった。

九州大学大学院システム情報科学研究院の研究者は、他大学との共同研究により、偏光状態を実測した特殊な光「光渦」を用いて半導体表面のねじれ加工を実現し、世界で初めてその形成メカニズムを2次元輻射流体シミュレーションにより解明し、加工構造物の形成過程を再現した。

 研究では、光渦による物質のねじれ形成を明らかにするため、実験に使用する光渦の偏光状態を実測評価した上でねじれ構造物の形成を実証し、さらに、レーザ生成プラズマの2次元輻射流体シミュレーションにより、プラズマ圧力と構造物形成の相関を世界で初めて明らかにした。

 研究成果はScientific Reports にオンライン掲載された。

研究チーム
九州大学大学院システム情報科学研究院の中村大輔准教授、池上浩教授、川本実季大学院生、宇都宮大学の東口武史教授、埼玉医科大学の若山俊隆教授、米国パデュー大学の砂原淳客員教授(大阪大学招へい准教授)。

(詳細は、https://www.kyushu-u.ac.jp)