November, 24, 2020, Lausanne--ファイバオプティックセンサは、トネルの火災の検出、パイプライン漏洩の正確な場所の指摘、地滑りの予測など重要なアプリケーションで使用されているが、これがもっと高速、高精度になろうとしている。
EPFLのエンジニアは、ファイバオプティックセンサが100倍高速にデータを送信し、より広範にセンシングできる最先端のエンコーディング、デコーディングシステムを開発した。「温度計のように、所定の点で計測する従来のセンサと違い、ファイバオプティックセンサは、ファイバ全体でデータを記録する。とは言え、その技術は、過去数年、ほとんど改善されなかった」とEPFL工学部教授、Group for Fibre Optics (GFO)長、Luc Thévenazは,言う。
ファイバオプティックセンサは、危険検出システムで一般に利用されている。パイプラインの亀裂検出、土木構造物の変形特定、山の斜面の地滑りの可能性検出など。センサは、ファイバが設置されているすべての箇所で温度を読み取ることができ、それによって所与のサイトの連続的熱ダイアグラムを生成する。これは、たとえサイトが10数kmの広がりがあってもできる。したがって、事故が起こる前に可能性を洞察することが可能になる。
信号品質の改善
北京郵電大学(Beijing University of Posts and Telecommunications)と協働で、GFOエンジニア、ポスドクZhisheng YangとPh.D学生、Simon Zaslawskは、ファイバに沿って送られるデータのエンコードとデコードのための新システムを開発した。その方法により、センサは、より高いエネルギー信号を受け取り、それらを高速デコードすることができる。結果として、広い範囲で、より迅速に計測することができる。研究成果はNature Communicationsに発表された。
エンジニアによると、そのシステムは、エコーのように動作する。1単語を叫ぶと、聞こえるのはその単語である。しかし、歌を歌うと、戻ってきたものは、区別しにくい音の混合である。その音を区別し、理解できるようにするための「キー」が必要になる。ファイバオプティックセンサは同じように機能する。違いは、計測装置が音ではなく、ファイバに沿って光パルスを送出することである。信号はファイバを跳ね回って戻り、デバイがそれらをデコードし、信号を利用可能なデータに変換する。
そのセンサをもっと効率的にするために研究チームは、信号がより高強度で跳ね返るように光パルスを一続きのグループにした。しかし、それは「エコー」の問題を解決しなかった。つまり信号の読取可能なキーを見つけることである。したがって、チームはファイバに沿って送られるデータをエンコードする方法を開発した。その方法は特別な遺伝的最適化アルゴリズムを使い、不完全性に対処する。「他のシステムは、範囲が制限されていたり、あるいは高価だったりするが、われわれのものでは、ソフトウエアプログラムを既存装置に追加するだけでよい。センサを適合させたり、複雑な機器を使う必要はない」とThévenazは話している。
(詳細は、https://actu.epfl.ch)