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高反射防止性能のモスアイフィルムの大面積化に向けた基礎技術を開発

November, 11, 2020, 東京--東京理科大学基礎工学部電子応用工学科の谷口淳教授、ジオマテック株式会社の菅原浩幸氏らの研究グループは、スパッタ成膜法でグラッシーカーボン(GC)薄膜をガラス基板上に堆積させ、この基板に酸素プラズマを照射することで、反射を防止するモスアイ構造を作製する方法を開発した。
 これは大面積のモスアイ構造の作製を可能とする基本技術であり、ディスプレイ表面、デジタルサイネージの表面、透明仕切り板の表面などにこの技術を適用することで、反射がない視認性の良い環境を提供できるようになると期待できる。

 表面の反射は、スマートフォンやパソコンなどのディスプレイの視認性や、太陽電池パネルの発電効率を低下させるため、反射を防止する技術が重要になる。反射を防止する構造の代表的なものとして、モスアイ構造が挙げられる。モスアイ構造は、光をあまり反射しない蛾の目(モスアイ)を真似た構造で、微細な凸凹構造により連続的に屈折率が変化することで、反射が抑えられる。これまでモスアイ構造を作成するさまざまな方法が提案されており、研究グループもこれまでにグラッシーカーボン(GC)基板に酸素イオンビームを照射することで、モスアイ構造を形成する手法を開発している。しかし、GC基板は、大面積化が難しいという欠点があった。
 研究ではモスアイ構造の大面積化を実現するために、スパッタ成膜法でGC薄膜をガラス基板上に堆積させ、この基板に照射面積の広い酸素プラズマを照射することでモスアイ構造を作製するという新たな方法を見出した。この方法により大面積のモスアイフィルムの作製が可能となれば、ディスプレイ、デジタルサイネージ、太陽電池パネルなどへの適用が期待される。
(詳細は、https://www.tus.ac.jp)