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シングルレーザでハイパワーデュアルコムフェムト秒パルス生成

November, 6, 2020, Zurich/Washington--ETH-Zurichの研究チームは、ハイパワーフェムト秒パルスを出力するために、2つのハイパワー光周波数コムを作るシングルレーザキャビティを利用する新しいアプローチを開発した。その新開発は、分光学や精密測距などのアプリケーション向けポータブルデュアルコム光源に道を開く。

光周波数コムは、櫛の歯のように完璧な間隔の周波数スペクトルを生成する。わずかに異なるパルス繰り返しレートを持つ2つのそのような周波数コムは、短パルスストリームを発するデュアルコム設定を実現するために統合されることがよくある。

スイス、ETH-Zurichは、10月に新しいアプローチを発表した。

「われわれのアプローチにより、小さく、繰り返しレートがパッシブに安定したオフセットの1対の周波数コムを生成することができる。これは、デュアルコムシステムの長年の問題である高複雑度を、レーザ性能に妥協することなく解決する。潜在的なセンシングアプリケーションに含まれるのは、非破壊検査向けのタイムドメイン分光学、産業および環境モニタリング用微量ガス検出、マシンビジョンアプリケーション用のレーザ測距である」とBenjamin Willenbergは説明している。

コムの統合
デュアルコムレーザから得られるパルストレインは、超高感度、高速分光計測、レーザ測距による精密な距離計測に特に有用である。しかし、2つの安定化されたコムと複雑な同期エレクトロニクスが必要なため、こうした計測は研究室に制限されていた。

新しい研究では、研究チームは、この複雑なシステムを簡素なパッシブ安定光学アプローチで置換えた。デュアルコム動作達成のために、チームはシングルレーザキャビティを使用した。これは、複屈折方解石結晶で多重し、2つの偏光状態でレーザ発振できるようにしている。チームは初めて、この複屈折結晶偏光多重技術とダイオードポンプ固体レーザ器結晶とを統合した。使用したYb:CaF2利得結晶によりハイパワーフェムト秒パルス生成を可能にしている。これは、その優れた熱特性と広い放出スペクトルによるものである。

新設計は、単一光キャビティを使用した2つの周波数コムレーザを作るので、パワー、波長、帯域およびパする繰り返しレートが安定した、よりコンパクトなデュアルコムの開発が可能になる。

新しいセットアップを利用して、研究チームは、1050-nmビーム、繰り返しレート1kHzで、パルス幅175fs、440mWを達成した。チームは、レーザを使って繰り返しレート差の安定性を実証。これは、非同期光サンプリングを利用して半導体材料で低雑音計測を実行することが目的。これには、反応を始動するための超高速パルスが必要であり、また、有機変化を計測するために第2パルスが必要だった。

この技術の次のステップに含まれるのは、ロバスト、ポータブルパッケージでプロトタイプシステムを開発すること、科学および産業アプリケーションの実証、計測をスピードアップするためによりハイパワー、高い繰り返しレートに拡張すること、レーザを商用提供するためのチャネル設定などである。
(詳細は、https://www.osapublishing.org/oe/fulltext.cfm?uri=oe-28-20-30275&id=439996)