June, 5, 2014, Adelaide--アデレード大学(University of Adelaide)物理学研究チームは、世界最高感度の温度計を作製した。これは、これまでの最良の温度計よりも3倍高精度である。
同大学フォトニクス、先端センシング研究所(IPAS)の報告によると、この温度計は300億分の1℃の精度で温度を計測できる。このプロジェクトのリーダー、実験物理学チェア、Andre Luiten教授は、「これは室温で計測する温度計としては過去最高である」とコメントしている。また、同氏は、絶対零度に近い極低温環境では、さらに高感度に温度計測することが可能であると指摘している。
この温度計は2色の光(赤と緑)を高度に研磨した結晶ディスクに注入する。2色の光は結晶中をわずかに異なるスピードで伝搬するが、これは結晶の温度に依存する。
「結晶を熱すると、赤色の光が緑に対して減速する」。同教授の説明によると、このディスク周囲で何千回も光を周回させる。これは、音が湾曲の中で集中して強くなる「ウィスパリングギャラリ」現象と同じ方法。すると、このスピードの極めて小さな違いを高精度計測することができる。
研究チームは、圧力、湿度、力、特別な化学物質の探査など、他にも超高感度計測ができるように改良した新技術を開発した。
「持ち運び可能な小さな計測機器で、われわれの環境の様々な側面をそのように高精度に計測できることは、微量の検出が極めて重要な様々な産業や医療アプリケーションで技術革命を起こす可能性がある」とLuiten教授は語っている。