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微小なマルチカラーマイクロ構造を3Dプリント

October, 23, 2020, Washington--横浜国立大学の研究チームは、様々な材料を使い、マルチカラー3Dマイクロ構造を造ることができる自動3Dプリンティング法を開発した。その新しい方法を使って、様々な光コンポーネントを造ることができる。光センサ、光駆動アクチュエータ、ソフトロボットや医療アプリケーションなどに適用できるマルチマテリアル構造である。

「多種の材料を組み合わせることは、単一材料では実現できないような機能を作るために利用できる。マルチ材料構造のシングルステップ製造ができるわれわれの方法は、アセンブリプロセスをなくし、高精度でローコストのデバイスの製造を可能にする」と横浜国立大学の研究チームリーダー、Shoji Maruoはコメントしている。

Optical Materials Expressで、研究チームは、新しい3Dプリンティング法を説明し、様々なマルチカラー3D構造を造ることで、それを実証している。その技術は、ステレオリソグラフィをベースにしている。これは、強く集光されたレーザビームを使って、複雑な微細化構造を造るので、マイクロデバイスの作製に最適である。

「3Dプリンティングを使って多材料マイクロスケール光学素子を造る能力は、医療処置や診断に利用される光デバイスの微小化に役立つ。これは、これらのデバイスを体内あるいは体表で利用する能力を改善する、同時にそれらを使い捨てにすることもできる。これは、先進的で安全な医療診断に貢献する」とMaruoはコメントしている。

カラーステレオリソグラフィの最適化
ステレオリソグラフィは、光活性化された光硬化性樹脂として知られる材料を層ごとに硬化するためにレーザを使うことで高精度3D構造を構築する。液体樹脂を保持するためにマイクロフルイディクスが使われることがよくあるが、材料を交換する際に、大量の無駄を作ることなく、またプリントされた物体に気泡を形成することなく、多様な樹脂の交差汚染を防ぐことが問題になる。

その新しい研究では、チームは、小滴状態で様々な材料を保持する方法を開発した。これにより、マイクロチャネルなどの閉じられた空間で、無駄なく、簡単に材料交換ができる。気泡を抑制するために、3Dプリントされた構造は、樹脂が置き換わるたびに毎回樹脂内で動き回る。チームは、3Dプリント構造をクリーニングするための二段階プロセスを組みこんだ。樹脂を変える際に、交差汚染を完全に防ぐためである。

この最適化プロセスアプローチを実行するために、研究チームは、マルチレジンを保持するパレットを作り、モーター駆動ステージに2つのクリーニングタンクとエアーブローノズルを設置した。「3Dプリンティング、樹脂置換、気泡除去とクリーニングを含む全プロセスは、われわれが開発したソフトウエアを使い、連続的に実行される。これにより、マルチカラー3Dマイクロ構造が自動的に作成される」とMaruoは説明している。

マルチカラー3D構造実現
研究チームは、パレットに様々なタイプの光硬化性樹脂を乗せ、それらを使って3Dマイクロ構造を作ることでそのアプローチをテストした。これらのデモ構造の1つ、わずか1.5㎜幅の微小マルチカラーキューブで、3Dプリンティングシステムは、6時間の製造工程中に5色の樹脂を250回交換した。研究チームは、マルチカラー樹脂の層数を調整することで構造の各部分の吸収を調整でき、赤、青、緑、黄の層を組み合わせることで黑などの色のマイクロ構造を作れることも示した。

「この方法は、マルチカラー樹脂だけでなく、もっと広範な材料にも適用できる。例えば、様々なセラミックマイクロ粒子、あるいはナノ粒子と光硬化性樹脂を混ぜ、これを利用して様々なタイプのガラスを3Dプリントできる。また、生体適合セラミック材料とともに使い、再生骨や再生歯のためのスカフォールドを作ることができる」とMaruoは説明している。

研究チームは、現在、製造をさらに高速化するために、樹脂置換、気泡除去などのプロセスに必要な時間の短縮に取り組んでいる。また、チームが以前に実証した技術を使い、マルチスケール製造システムを構築する計画である。ここでは、集光レンズやレーザ露光条件を改善することで、製造分解能が、1 µm以下から数10 µmまで変えられる。