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微小パッケージに光音響、蛍光イメージングを統合

September, 29, 2020, Washington--グルノーブル大学(Université Grenobe)の研究チームは、人の髪の毛よりも細いデバイスに光音響イメージングと蛍光イメージングを独自に統合した新しい内視鏡を実証した。デバイスは、神経活動と同時に血液動態の計測ができるようにすることで、いずれ新たな脳の洞察を可能にする。

「これらのイメージング法を統合することは、標的薬剤による処置後など特殊な条件で脳の構造や挙動についてのわれわれの理解を改善する。その内視鏡の小型サイズは、イメージング目的で小さな動物にそれを挿入した時に組織への損傷最小化に役立つ」とCNRS/ Université Grenobe Alpes、研究チームリーダー、Emmanuel Bossyはコメントしている。

研究成果は、ユニバーシティカレッジロンドンのPaul C. Beardチームと共同でBiomedical Optics Expressに発表された。論文は、新しいマルチモダリティ内視鏡を説明しており、それが赤血球細胞と蛍光ビーズの光音響および蛍光画像を取得できることを示している。

1つよりも2つの画像が優れている
 同じデバイスで蛍光画像と光音響画像を撮ると補完情報の画像が自動的に共記録される。蛍光信号は、蛍光マーカーが光を吸収して、それを異なる波長で再放出する時に作られ、組織の特定領域のラベリングに非常に有用である。他方、光音響画像は、光吸収後に生成された音響波を捉えるものでラベルは必要なく、したがって、例えば血液動態の撮像に使える。

新しい内視鏡は、光波面成形という技術を使って、非常に小さなMMFのイメージング端に光の焦点スポットを作る。「MMFを伝搬する光はスクランブルされ、ファイバを通して見ることはできなくなる。しかし、この種のファイバは内視鏡には有益である。多くの医療内視鏡デバイスで使われるイメージングファイババンドルに比べて著しく小さいからである」とBossyは説明している。

MMFを通して見るために、研究チームは空間光変調器を利用して、特殊な光パタンをファイバに送り込み、イメージング端に焦点スポットを形成した。焦点スポットがサンプルに当たると、信号が生じ、それを利用して、サンプルをラスタスキャンすることで一点ごとに画像を構築した。他の研究者も蛍光内視鏡にMMFを使ったが、新しい研究は、光音響イメージングがこの種の内視鏡設計に組み込まれた初のケースである。

音響感度を追加
研究チームは、音に感度がある特殊センサ先端を持つ非常に細い光ファイバを追加で組み込むことにより、光音響イメージングを加えた。市販のファイバオプティク音響センサは、このアプリケーションには感度がないか、十分でないので、チームは、Beard研究チームが最近開発した高感度ファイバオプティックセンサを使用した。

「光の焦点スポットによりわれわれは、ピクセルごとに画像を構成でき、同時に蛍光信号と光音響信号の強度も高まる。これは、焦点スポットに光を集中するからである。この集中された光と高感度ディテクタを統合することで、ピクセルごとに1つだけのレーザパルスを使って画像取得できる。それに対して、市販のファイバオプティクス音響センサでは、多くのレーザパルスが必要だっただろう」とBossyは説明している。

研究チームは、わずか250×125µm平方のプロトタイプマイクロ内視鏡を作製し、それを利用して、2つのイメージング法を使うことで蛍光ビーズと血液細胞を撮った。多数の1-µm蛍光ビーズと個別の6-µm赤血球の検出に成功した。

齧歯動物の脳における蛍光内視鏡は、他の研究者が実施しているので、研究チームは、今回開発のデュアルモダリティデバイスが同様の条件で機能すると考えている。チームは、継続してそのデバイスの取得速度を速めることに取り組んでおり、目標は一秒に数画像の取得である。