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東京大学、CMOSカメラによる電気複屈折イメージング

August, 26, 2020, 東京--東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 博士課程3年生の上村洋平 大学院生、松岡悟志助教、荒井俊人講師、長谷川達生教授と産業技術総合研究所の共同研究グループは、高性能CMOSカメラを用いて、透明物質中で自発分極が揃った強誘電ドメインの分布の様子を可視化できる、新たな変調イメージング技術を開発した。

露光した光の像を瞬時に電気信号に変換する半導体デバイスであるCMOSカメラ(イメージセンサ)は、近年著しい進化と普及が進んでおり、現在、その優れた機能をさらに活用する手法の開発が求められている。なかでも「変調イメージング」は、撮像対象に(電界などの)外場を加えたときに像に生じるごく僅かな変化を、超高感度な一括計測により捉えることで、通常の光学像の撮影ではまったく識別し得ない像を浮かび上がらせることが可能な技術。ただ従来法は、撮像する対象の可視光域の吸収が外場によって変化を示すものに限られていた。

研究では、電場によって生じる屈折率のごく僅かな変化を、電気複屈折効果(ポッケルス効果)にもとづく透過光の偏光位相差を通して捉えることにより、透明な光学材料にも適用できる技術を開発した。この手法を用いて、実際に透明な強誘電体の一種である水素結合型有機強誘電体薄膜内の強誘電ドメインの可視化に成功した。

研究成果は、米国科学誌Physical Review Appliedに掲載された。

(詳細は、http://www.t.u-tokyo.ac.jp)