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ポリマ光変調器の高効率化に成功し世界最高速の光データ伝送を更新

August, 26, 2020, 福岡--九州大学先導物質化学研究所の横山士吉教授と呂國偉博士らの研究グループは、電気光学ポリマを用いた超高速光変調器を開発し、200Gb/sの世界最高速の光データ伝送に成功した。
 同グループは、これまでにも100Gb/sの高速光変調の検討を進めてきたが、今回の研究成果では、さらに2倍の高速性を実現することができた。また、日産化学株式会社と共同で実用化に向けた電気光学ポリマの開発にも取り組み、100℃以上の高温環境下でも安定に動作するデバイス信頼性を確認することもできた。
 近年の情報通信量の急激な増加に対応するため、最先端のデータセンタ技術ではハードウェアの高性能・小型化が望まれている。一方、通信に関わる消費電力は大幅に増加する傾向にあり、省エネルギー化も強く求められている。ポリマを応用した光変調器は、従来の無機・半導体系光変調器に比べて高速性や消費電力などの点で優れており、世界的なデバイス開発競争の中でも期待が集まっている。

 研究グループは、科学技術振興機構(JST)戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)のもと、国際産学連携による高効率ポリマ光変調器の研究開発を進め、連携先のドイツチーム(カールスルーエ工科大学、ブァンガード オートメーション有限会社)とシリコン光技術を融合したシリコン・ポリマーハイブリッド光変調器の開発を進めている。
 今回の日本チームによる研究成果では、光信号伝送のデータレートが200Gb/sの世界最高速に到達し、信頼性試験で100℃以上の高温時にもエラー信号が発生しないことも確認され、ポリマ光変調器の高速化と信頼性を大幅に高めることに成功した。このような超高速光変調器の応用は、データセンタへの応用など光ネットワークの最先端技術の発展につながることが期待できる。
 研究成果は、Nature Communicationsに掲載された。

(詳細は、https://www.kyushu-u.ac.jp/)