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病原菌を除去するチタンナノワイヤマスク

August, 18, 2020, Lausanne--酸化チタンナノワイヤで作られたフィルタ「ペーパー」は、病原菌を捉え、光で破壊することができる。EPFL研究所によるこの発見は、個人の保護装置、換気、エアコンディショニングシステムに利用できる。

COVID-19パンデミック抑制の一環としてペーパーマスクが強制になっている。その相対的な効果はもはや問題になっていないが、普及には多くの問題がある。不織布ポリプロピレンプラスチックマイクロファイバ層でできた使い捨てマスクの環境への影響がその一つである。さらに、そのようなマスクは病原菌を破壊するのではなく、トラップするだけである。「病院では、こうしたマスクは特殊なビンに入れ、適切に処理される」とEPFLのLaboratory of Physics of Complex Matter所長、László Forróは説明している。「しかし、それらが広範に利用され、ごみ入れに投げ捨てられ、通りに置き去りにされると、それらは新たな汚染源となる」。

Forróの研究所の研究員は、この問題への有望なソリューションに取り組んでいる。酸化チタンナノワイヤでできた膜は、外見はフィルタペーパーに似ているが、抗菌性であり、抗ウイルス特性を持つ。

その物質は、二酸化チタンの光触媒特性を利用することで機能する。UV光に露光すると、その繊維は滞留水分を過酸化水素などの酸化剤に変換する、これは、病原菌を破壊する能力がある。「われわれのフィルタは、非常によく水分を吸収するので、ウイルスやバクテリアを持つ水滴を捉えることができる。これにより、光が始動する酸化プロセスにとって都合のよい環境ができる」(Forró)。

研究成果は、Advanced Functional Materialsに発表された。また、その膜が、生物医学研究の基準バクテリア、E. coliを、またDNAストランドを数秒で破壊できることを証明する実験も紹介されている。これらの結果に基づいて、研究チームは、実験的実証が残っているものの、そのプロセスは、SARS-CoV-2を含む広範なウイルスに等しく成功すると主張している。

論文は、そのような膜の製造は大規模に実行可能であるとも説明している。研究所の装置だけで、週当たり最大200㎡のフィルタペーパーを製造でき、これは月に80000のマスクに十分である。さらに、そのマスクは殺菌されて1000回再利用可能である。これは、不足を緩和し、使い捨て外科手術用マスクによる廃棄物を大幅に減らす。製造プロセスは、チタン石の焼成に関わり、これによってナノワイヤは安定化され、ユーザがナノワイヤを吸い込む危険性がなくなる。

スタートアップ、Swoxidが、その技術を研究室の外に出す準備を進めている。「その膜は、換気システム、エアコンディショニングシステム、個人的保護装置などにもアプリケーションがある」と論文の主筆、Swoxidの共同創始者、Endre Horváthは話している。
(詳細は、https://actu.epfl.ch)