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光と固体の量子力学的な相互作用による新たな光の発生機構を解明

August, 5, 2020, 京都--京都大学他の研究グループは、ワイドギャップペロブスカイト半導体であるCH3NH3PbCl3単結晶に高い電場強度の中赤外領域のレーザーパルスを照射すると、可視から紫外にわたる幅広い波長範囲の光が発生することを発見し、その発生機構を解明した。
 この現象は高次高調波発生と呼ばれ、従来、原子や分子などの気体において広く調べられ、X線光源やアト秒の光パルスを発生する技術へと応用されている。一方で、固体は気体に比べて高い電子密度を持つために、高効率でコンパクトな光源となり、デバイス開発への応用が期待されている。しかし、多くの原子やイオンが集まった固体においては、光が作用する電子系のエネルギー状態は極めて複雑となり、高次高調波の発生の理解はほとんど進んでいなかった。
 研究では、複雑な電子状態を計算に取り込むことにより、発生効率の励起光強度依存性や結晶角度依存性などの実験結果を再現することに成功した。これらの精密な実験と理論計算との比較によって、従来発生機構として考えられてきた強光電場で駆動される電子の運動だけでなく、価電子帯から伝導帯に励起されるキャリアの応答の非線形性が重要な役割を果たすことをはじめて明らかにした。
(詳細は、http://www.tsukuba.ac.jp)