July, 20, 2020, Moscow--マシンラーニングがますます多くのタスクで人のパフォーマンスを凌駕し続けているが、Skoltech(Skolkovo Institute of Science and Technology)とモスクワ大学などの研究者は、ディープラーニング(DL)を光学系の量子特性再構成のために適用した。
研究チームは、マシンラーニングを状態再構成問題に適用することに成功した。
研究成果は、npj Quantum Informationに発表された。マシンラーニングが、ノイズとディテクタエラーの存在する実験データから量子状態を再構成できることを示したのはこれが初めてである。
Skoltech Ph.D学生、Adriano Macarone Palmieri、研究論文の主筆は、研究成果を「より深い洞察への新たの扉を開く」と説明している。
MSU(Moscow State University)のPh.D学生、Egor Kovlakovととともに、Adrianoは、マシンラーニングの専門家、Federico Bianchiと協力した。同氏は、研究成果について「マシンラーニングと量子物理学を統合した発見を原動力とするデータの完全な実例」と説明している。Federicoは、この研究に加わるまで量子力学の経験はなかったが、同氏は情報に関する問題を見て、ディープフィールドフォワードニューラルネットワークに基づいた新しいシステムのモデルの構築に協力した。
Adriano と Federicoは、Dmitry Yudin を含むDeep Quantum Laboratoryのメンバーと密接に協力した。メンバーの一人、Dmitry Yudinは、研究成果をニューラルネットワークアーキテクチャをラボで実用的に利用するための重要な第一歩と説明している。目的は、雑音の多い実験データの利用可能な量子セットアップで量子トモグラフィを改善すること。そのような量子情報処理は、量子コンピュテーションや最適化のための典型的な量子デバイスでは至る所で利用されている。近い将来、研究チームは量子情報デバイスの大型化というさらなる課題に対処する計画である。また、この研究がさらに進んだ研究の基盤になるとと考えている。
これらの結果は、MSUのStanislav Straupe および Sergei Kuliikにサポートされた、Egor Kovlakovの実験的研究なしでは可能ではなかった。
MSUチームは、高次の量子状態を準備し、計測するためにフォトンの空間状態に基づいた実験プラットフォームでデータを生成した。状態の準備と計測における実験誤差は、必然的に結果に悪影響を及ぼし、状況は次元が増すにつれてますます悪化する。同時に、利用可能な量子状態の次元の拡大は、量子通信プロトコルにとって、特に量子コンピューティングにとって極めて重要である。ここが、マシンラーニング技術が役立つところである。Skoltechチームは、ディープニューラルネットワークを実装して、ノイズの多い実験データを解析し、効率よくノイズを除去することを学習し、量子状態の再建品質を大幅に向上させた。
Skoltechのディープ量子研究所(Deep Quantum Laboratory)のチームは、マシンラーニング技術は、将来量子技術の開発で重要な役割を果たすと考えている。利用できる量子デバイスがますます複雑になるにつれて、所望の精度で全てのパラメタを制御することはますます困難になる。したがって、ディープラーニングやマシンラーニング一般が非常に自然なアプリケーション領域として出てきたのである。
(詳細は、https://www.skoltech.ru)