July, 8, 2020, Houston--Exciton ScienceのARC Centre of Excellenceの研究者が開発した画期的なナノ結晶アセンブリ法の恩恵を受けるのは、スマートフォン、タブレットとラップトップディスプレイ、カメラレンズ、バイオセンシングデバイス、集積チップとフォトボルテイックセルなどのアプリケーションである。ナノ結晶には、幅広い既存および潜在的な用途があるが、それらは湿式化学法で作られることが多く、それらをデバイスに効果的に組み込むには課題が存在する。しかし、Exciton Scienceの研究チームは、シングルナノ粒子を直接プリパタンドテンプレートにアセンブルする、非常に効率的で制御性のよい方法を実証した。
技術の詳細は、Advanced Materialsに発表されている。
一定強度レベルの電界をかけることで、電気泳動析出(EPD)と言う技術で研究チームは、金ナノスフィア(球)または金ナノロッドのいずれかを使ってほぼ完璧なシングルナノクリスタアレイを作ることができた。またこの電界の一部として材料に印可される電位を調整することにより、研究チームは,垂直または水平構成でナノ結晶がアセンブリするかどうかを決定することができた。Ph.D候補、Heyou Zhangは、「従来のナノファブリケーション法は、通常、2Dナノ構造を作り出す。垂直および水平方向の両方でアセンブリでき、表面でナノ粒子を空間的に制御できることで,この方法は、ナノスケール構造の構築と製造に多くの機会を与えるものである」とコメントしている。
マニュスクリプトは、金ナノ結晶のアセンブリに集中しているが、その技術は半導体量子ドット、磁気ナノ粒子、有機ナノ粒子にも適用できる。
研究の次の目標は、単一量子ドット「ON/OFF」スイッチの作製。これは高密度情報蓄積のロジックゲートあるいはメモリピクセルの一部を形成できる。しかし、すでに業界から別の分野にも関心が寄せられている。「われわれは、プラズモンピクセルとしてアセンブリされた金ナノクリスタルアレイを利用できる。これは高純度、彩度カラーディスプレイユニットである」(Heyou)。「それは、角度あるいは偏光依存特性を持つ非常に際立つ色であり、セキュリティ機能あるいは医療イメージングに可能性がある」Heyouによれば、このアプローチは、汎用ナノマテリアルアセンブリ法として大きな可能性がある。「われわれは、これらの粒子を使って、電話のレンズなど、再構成可能金属レンズを構築できる」「電話のカメラレンズの厚さは、光学的形状によって制約されているが、この方法で、それをマイクロメートルサイズに縮小できる」
(詳細は、https://excitonscience.com)