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偏光イメージングに応用できるメタサーフェス

June, 26, 2020, Cambridge--偏光は光が振動する方向であり、人の眼には見えない。しかしわれわれの光学世界の多くは、この隠れた光品質の制御と操作に依存している。
 偏光を操作できる材料、複屈折材料は、デジタルアラーム時計から医療診断、通信、天文学まで至る所で利用されている。

光の偏光が直線あるいは楕円に沿って振動できるように、材料は直線的あるいは楕円複屈折となる。今日、ほとんどの複屈折材料は、本来リニアである。つまり、それらは限られた方法で光の偏光を操作できるに過ぎない。幅広い偏光操作を達成したいなら、多数の複屈折材料を積み上げ、これらのデバイスを大きく、非効率にすることになる。

今回、ハーバードSEASの研究チームは、リニアから楕円複屈折に連続的にチューニングできるメタサーフェスを作製した。これは、たった一つのデバイスで、偏光制御の全空間を開くものである。この単一のメタサーフェスは、同時に多数の複屈折材料として動作するので、よりコンパクトな偏光操作が可能になる。つまり、偏光イメージング、量子オブティクスや他の分野の広範囲のアプリケーションがある。

研究成果は、Science Advancesに発表された。

論文の筆頭著者、SEASの前院生、Zhujun Shiは、新しいタイプの複屈折材料について、「われわれは自然に存在するものを超えて、材料の広範な偏光挙動を調整できる。実用的な利点は多い。従来、3つの個別の複屈折コンポーネントを必要としていたものが、ただの一つになった」とコメントしている。

「コンパクトで多機能のデバイスにより、全く新しい方法で偏光のような光の基本的特性を操作できると、量子オブティクスや光通信に重要なアプリケーションがある」とFederico Capassoは説明している。

メタサーフェスは、波長以下の間隔で離れたナノピラーアレイであり、光の位相、振幅および偏光の操作を含め、幅広いタスクを遂行できる。過去に、チームは、わずかな設計パラメータで、単純な幾何形状を利用して最初からこれらの高秩序な表面を設計した。

しかし、今回の研究ではチームは、新しいタイプの設計技術、トポロジー最適化を利用した。

「トポロジー最適化は、逆アプローチである。メタサーフェスにしてもらいたいことから出発し、次にアルゴリズムに膨大なパラメタスペースを探査させ、その機能提供に最も適したパタンを開発させる」とShiは説明している。

結果は、驚嘆だった。おもちゃの兵隊のように立つきれいに並べられた長方形のピラーの代わりに、このメタサーフェスは、歪んだスマイリーフェイスを思わせる入子型の半円で構成されている。コンピュータではなく、よちよち歩きの子どもが描いたもののようである。

しかし、この奇妙な形は、全く新しい複屈折の世界を開いた。それらは、直線偏光を所望の楕円偏光に変えるように、幅広い偏光操作を達成できるだけでなく、偏光は、入力光の角度を変えることで調整もできるのである。

「われわれのアプローチは、産業、科学研究に広範な潜在的なアプリケーションがある。先進的光学系における偏光収差補正も含まれる」とCapassoは話している。

(詳細は、https://www.seas.harvard.edu)