June, 23, 2020, Gothenburg--チャルマーズ大学の研究者によると、将来、カメラレンズは数千倍薄くなり、製造は大幅にリソースを少なくできる。研究チームは、現在、「メタサーフェス」という人工材料を造る新技術を紹介している。これは、多数の相互作用するナノ粒子で構成されており、それらがいっしょになって光を制御する。今後の光技術に多くの用途がある。
メタサーフェスは、可搬エレクトロニクス、センサ、カメラあるいは人工衛星の光コンポーネントに利用できる。そのような平面を作るチャルマーズ大学の新しい技術は、プラスチックベースであり、すでに現在、他のマイクロ構造を造るために利用されている。
「われわれは、確立された技術、電子ビームリソグラフィを用いてこのプラスチックの薄い層をガラスプレート上に成長させる。われわれはプラスチック膜に微細なパタンを描くことができる。それは、開発後にメタサーフェスを構成する。結果としてのデバイスは、通常のカメラレンズのように光を集光するが、それは数千倍薄く、フレキシブルでもある」とチャルマーズ大学物理学部、Daniel Andrénは説明している。研究成果は、ACS Photonicsに発表された。
過去10年、オプティクスに革命はあった。われわれのポケットの電話には、解像度数100万ピクセルの技術的最高傑作、DSLRに匹敵するカメラがある。それらは、微小な先進的コンピュータチップとソフトウエアで光を処理する。また、画像は小さなカラーLEDsの助けを借りて再現される。こうした技術は、近年急速に発展してきた、主に回路部品の小型化、高効率化によるものである。
しかし、カメラレンズ自体は、ほとんど変わっていない。今日のレンズの大半は、16世紀に最初にプロトタイプが発明されてから、同じ物理原理に基づいており、同じ基本的制限を含んでいる。しかし、過去10年、研究者は、人工材料、メタサーフェスを扱う仕事をしている。これは、今日のレンズに取って代わることになる。
現在、ある問題がメタサーフェスの大規模生産の妨げになっている。それらを製造するには最先端の装置が必要になる、またそのプロセスは非常に時間がかかる。しかし、チャルマーズ研究チームの新しい方法を使うことで製造スピードは、現在の最先端の技術と比べて数倍速くなる。その新技術は害のない化学薬品を使い、今日ナノ製造ラボで一般的となっている装置を使う。これにより、メタサーフェスの研究を始める研究者の数が増える。
「われわれの方法は、メタサーフェスの大規模製造に向けて一歩前進である。それは、われわれが今日すでに目指している目標である。メタサーフェスでわれわれは様々な効果を実現し、多様な技術的可能性を利用できるようになる。まだ、最高のものは実現していない」と同大学、Ruggero Verreはコメントしている。
メタサーフェス製造の要点
・プラスチックは、スピンコーティングによりガラス板に塗布される
・電子ビームリソグラフィを使い、所望のパタンをプラスチックに描き込む。多様な方向の一貫したピラーのメタサーフェスは、次に現像液で露出する。
・マクロスケールのメタレンズは、その技術で製造可能である。
・メタサーフェスは、フレキシブル素子としても作製できる。
(詳細は、https://www.chalmers.se)