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パワーレーザの照射でダイヤモンドがパキパキ割れる様子を観測

June, 22, 2020, 大阪--大阪大学レーザ科学研究所の大学院生加藤弘樹、重森啓介教授の研究グループは、非一様なレーザ光をダイヤモンドの表面に照射することによって、その表面に発生する特異な表面形状を発見した。その特異な形状はプラズマの制御によって消失することも明らかとなり、レーザ核融合の燃料カプセルへの応用や、レーザ加工のメカニズム解明に期待される。

ダイヤモンドは地球上でもっとも硬い物質のひとつであり、様々な場面で幅広く応用されている。燃料カプセルがレーザ光で直接照射される核融合の方式(直接照射型慣性核融合では、主に、”インプリント”と呼ばれる照射による凸凹形状の発生が問題となっている。その解決法として、硬いダイヤモンドを燃料球としたインプリントの抑制法が期待されている。

 研究グループは、このダイヤモンドによるインプリントの低減機構の解明を行う過程で、非一様なレーザ照射を行うことによりダイヤモンド表面に”くさび状”の特異なひび割れパターンが生成することをはじめて発見した。このひび割れはレーザ核融合の実現に問題となるが、ダイヤモンド表面に薄い銅のコーティングを施すことにより、このひび割れパターンが消失することも確認した。2次元シミュレーション等による解析から、ダイヤモンド表面での圧力分布がダイヤモンドの弾塑性転移※3と深く関係していることを解明した。研究成果はScientific Reportsに掲載された。
(詳細は、https://resou.osaka-u.ac.jp)