June, 8, 2020, 東京--東京工業大学 物質理工学院 材料系の木全哲也大学院生(博士後期課程3年)と科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の中村一隆准教授らは、透明領域の超短パルス光を用いたコヒーレント光学フォノンの量子状態を制御する理論モデルを構築した。さらにダイヤモンドを用いた実験を行い、光干渉とフォノン干渉の実験結果を再現することに成功した。
振動準位および電子準位で構成される系において、励起光パルス対の重なった時間領域についても光応答過程を計算することで、透明領域での光を用いてコヒーレント光学フォノンをコヒーレント制御する理論モデルを新たに構築した。この理論モデルには任意の光電場波形の取り扱いも可能である。
構築した理論モデルを検証するため、フェムト秒(fs)以下の時間幅を持つ近赤外光パルスにより、ダイヤモンドコヒーレント光学フォノンの量子状態の制御実験を行った。励起パルス対の重なった時間領域に対しても実験を行い、光干渉とフォノン干渉を観測した。この結果は理論モデルから計算される結果と良く一致することを確認した。
研究成果は「Physical Reviewオンライン版に掲載された。
(詳細は、https://www.titech.ac.jp)