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シドニー大学、コンピュータチップを微小化

May, 29, 2020, Sydney--シドニー大学の研究チームは、ナノスケールフォトニックチップ用設計を開発している。
 フォトニックチップは、コンピュータと通信の未来に途方もない可能性をもたらす。オーストラリアとドイツの物理学者が、この技術が直面するエンジニアリング障壁の一部を克服するハイブリッドアーキテクチャを開発した。

エネルギー効率と帯域増をわれわれが必要とするに伴い、光は、コンピュータや通信における情報処理の主要なキャリアとして登場してきた。

すでに光ファイバによる国際通信はゴールドスタンダードであり、光ネットワークを通してフォトンが電子に代わってコンピュータの中心に運ぶ主要な情報キャリアになっている。

しかし、この変革を完成するには大きなエンジニアリング障壁が残っている。光をサポートする産業標準シリコン回路は、最新の電子トランジスタよりも桁違いに大きい。一つの解は、金属導波路を使って光を「圧縮する」ことであるが、これは新しい製造インフラストラクチャを必要とするだけでなく、チップ上で光が金属と相互作用する方法では、フォトニック情報が簡単に失われる。

オーストラリアとドイツの研究チームは、こうした問題の克服に役立つナノスケールデバイスを設計するモジュラー方法を開発した。従来のチップ設計のベストなものとフォトニックアーキテクチャをハイブリッド構造に統合する。研究成果は、Nature Communicationsに発表された。

このハイブリッドアプローチにより、ナノスケールでの光操作が可能になる。研究チームは、情報を運ぶ光の波長よりも100倍小さい規模でデータを処理できることを示した。

「この種の効率と微小化は、光ベースのコンピュータ処理の変革にとって極めて重要である。また、量子-光情報システムの開発でも非常に有用であり、将来の量子コンピュータにとって有望なプラットフォームである」とシドニー大学ナノフォトニクスリーダー、准教授、Stefano Palombaは話している。

「最終的にわれわれは、フォトニック情報が、コンピュータの心臓であるCPUに移動すると見ている。そのような見通しは、すでにIBMで画策されている」。

金属(「プラズモン」デバイス)を使うオンチップナノメートルスケールのデバイスは、従来のフォトニックデバイスではできないような機能を可能にする。注目すべきは、それらが効率よく光を1mの数10億分の1に圧縮し、著しく強められた干渉フリーの光と物質の相互作用を達成することである。

「汎用プロセスを変革するとともに、これは特殊な科学プロセス、ナノ分光学、原子スケールセンシング、ナノスケールディテクタにとって非常に役立つ」とシドニーフォトニクス・光科学研究所、Dr Tunizは話している。

とは言え、その汎用機能は、アドホックデザインに依存することで妨げられていた。

「2つの分離した設計が統合されて、以前には、何も特別なことはできなかった普通のチップを強化するようにできることを示した」(Dr Tuniz)。

このモジュラーアプローチにより、チップ内で光偏波の素早い回転が可能になる。その回転により、波長よりも約100倍小さなサイズに集光できる。

Martijn de Sterkeは、「情報処理の未来は、金属を使ってフォトンを取り込むことになりそうだ。つまりわれわれは光をナノスケールに圧縮し、これらのデザインを従来のシリコンフォトニクスへ統合する」とコメントしている。

(詳細は、https://www.sydney.edu.au)