テレコムにおける人工知能市場トレンド&成長

May, 18, 2020, San Francisco--Grand View Research, Inc.のレポートによると､テレコムにおけるグローバル人工知能(AI)市場規模は､2020-2027年にCAGR 38.4%で成長し､2027年に93億ドルに達する見込である｡

通信サービスプロバイダ(CSPs)は､システム最適化､プラニング､運用でシステムにインテリジェンスを持ち込む必要がある｡ネットワーク機能仮想化(NFV)やソフトウエア定義高域ネットワーク(SD-WAN)など、新しい技術パラダイムの導入により通信ネットワークの複雑さ増進に対処するためである｡したがって､テレコム産業は､ネットワークの効率と顧客エクスペリアンス改善のためにAIを研究､導入している｡

テレコム産業は､クラウドコンピューティング､ビッグデータ解析､ディープラーニング(DL)などの技術を活用して､コンシューマのマルチメディアサービスとネットワークセキュリティ要求を満たしている｡また､通信ネットワークの知性化は､サービスアウエアネットワークシステムやDPI技術の開発により可能になっている｡業界の研究者は､AIベース技術に踏み込んで､ネットワークアーキテクチャ&マネージメントを最適化し､より自律的な運用を可能にしようとしている｡

さらに、次世代ワイヤレスネットワークは､さらに複雑なシステムアーキテクチャになると予測されている｡サービス要件､デバイス､システムアーキテクチャやアプリケーションの不均質化が多様になってくるからである｡通信ネットワークにおける潜在的なAIベース利用例に含まれるのは、ネットワーク運用モニタリング&マネージメント､不正軽減､予測保守､サイバーセキュリティ､マーケティングや顧客サービスの仮想的支援である｡とは言え､複数の通信サービスプロバイダが､通信自動化とアジリティの必要性に対処するためにAIアプローチを採用しているように､ネットワーク運用モニタリング&マネージメントは､テレコム業界では最重要利用例である｡

テレコム市場レポートにおけるAIの要点
･顧客エクスペリアンス改善は、市場の成長を促進する主因の1つである｡顧客サービス向けに導入されているチャットボットは事業収益を十分に刺激している｡
･仮想化の課題に対処するために､マシンラーニング(ML)アプローチがテレコム領域にも登場し始めている｡
･AIサポートネットワークセントリックアプリケーションに含まれるのは、保守とプロビジョニングの異常検出､パフォーマンスモニタリング､警告抑制､トラブルチケットの自動解決､ネットワークの故障予測､ネットワーク容量計画あるいは混雑予測である｡
(詳細は､https://www.grandviewresearch.com/)