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新フォトンカウンティングカメラ、記録的な速さと分解能で3D画像

April, 24, 2020, Lausanne--EPFLの研究者は、シングルフォトンアバランシュダイオード(SPADs)を使う新世代イメージセンサをベースにした初のメガピクセルフォトンカウンティングカメラを開発した。その新しいカメラは、前例のないスピードでシングルフォトンを検出できる。これは、ARや自律走行車用のLiDARなど、3D画像の高速取得を必要とするアプリケーションを前進させる。

EPFLの先端量子アーキテクチャ研究所(AQUALab)のEdoardo Charbonは、「その高分解能と深度計測能力の結果、この新しいカメラは、仮想現実をより現実的にし、よりシームレスな方法で拡張現実情報と相互作用できるようにする」とコメントしている。同氏は、新しいカメラのアイデアを開発し、その画像センサを設計したAQUALabの創始者/所長である。

Opticaに発表された論文で研究チームは、これまでに考案された中で最小SPADピクセルの1つの作製法を説明している。これは、各ピクセルの消費電力を1mW以下に減らし、同時にスピードとタイミング精度を維持する。その新しいカメラは、最大24000 fpsで画像を取得できる。テレビ用ビデオ記録で使用される標準レートは30 fpsである。

「輸送アプリケーションでは、この新しいカメラは、多数のローパワーLiDAR機器を一台の車輌で利用し、周囲を高速、高解像度3Dで見ることで、前例のない自律性と安全性達成に役立つ」と論文の筆頭著者、Canon Inc.のKazuhiro Morimotoは話している。「さらに先には、量子通信、センシングやコンピューティングのすべてが、マルチメガピクセル分解能のフォトンカウンティングカメラの恩恵を受ける」。

新種のセンサ
20年ほどで、SPADセンサは、ノベルティから、ほとんどのスマートフォンカメラや多くの家電機器で標準のバージョンに進化した。この技術の成功は、SPADセンサが非常に効率的にシングルフォトンを検出し、それらをデジタルメモリに蓄積される電気信号に変換することによるものである。大型カメラは、各々がSPADを含むピクセルアレイを構築することで実現可能である。

新しい研究では、研究チームはEPFLのAQUALabにおける15年のSPAD研究を利用し、最先端のイメージングにSPAD技術を利用する、非常に高速で高解像度のカメラを作製した。その新しいカメラは、シングルフォトンを検出し、一秒に1憶5000万回の記録レートで、それらを電気信号に変換する。各SPADセンサは、光が3.8 nsで入るように細かく制御されている。この高速「シャッタスピード」は、超高速動作を捉え、取得データのダイナミックレンジ(最も暗いトーンと最も明るいトーンの差)の増加にも利用される。

研究チームは、極微SPADピクセルを作製し、低電力消費用に設計した。これには、フォトン検出によるトリガーでほぼ即座に電子雪崩を抑制するフィードバック機構を利用している。これがピクセルの全般的なパフォーマンスと信頼性を高めている。また、SPADセンサをよりタイトに詰める改善レイアウト技術を使い、これによって検出エリア密度を高め、100万ピクセルのカメラを可能にした。

研究チームは、高度な集積回路設計技術を適用して、大規模ピクセルアレイに高速電気信号を極めて均一に分布させた。また、100万ピクセルでシャッタスピードの変動をわずか3%に抑え、利用可能な量産技術を使ってこのセンサが実行可能であることを実証した。

高速3Dイメージング
そのカメラのスピードの結果、フォトンがセンサに当たる時間を非常に正確に計測できる。この情報を使って、個々のフォトンが光源からカメラまでの飛行時間(ToF)を計算することができる。ToF情報と100万ピクセルを同時に捉える能力を統合することで、3D画像の超高速再構成が可能になる。

研究チームは、その新しいカメラを使って、レーザ光源から放出され、ターゲットで反射されるフォトンのToFを計測した。また、他のイメージング技術では困難な、半透明の窓から見たものなど、複雑なシーンも捉えた。さらに、そのカメラを利用して、前例のないダイナミックレンジで、従来の画像を捉えた。研究チームの計画によると、今後カメラのパフォーマンスとタイミング分解能をさらに改善し、コンポーネントの微小化をさらに進めることで様々なアプリケーションで使えるようにする。