March, 18, 2020, Los Angels--UCLAの研究者は,光の多波長で同時に動作するニューラルネットワークを開発している。
UCLA Samueli School of Engineeringで開発された技術は、いずれ、付加的コンピュータ処理なしで対象を瞬時に認識できる光学デバイスを可能にする。その技術は究極的には,ロボット、自律走行車や他のアプリケーションに役立つ。
UCLA研究チームは、光ニューラルネットワーク、光ビームの“maze”(迷路)を開発した。これは、プラスチックやガラスなど様々な材料でできた一連の特殊設計半透明ウエファを持つ。ウエファは、磨りガラスのように粗い表面であり、光波長よりも小さなスケールで設計されていて、光ビームがmazeを透過すると、光を様々な方向へ分裂させる。
研究成果は、Light: Science & Applicationsに発表された。
光がウエファと相互作用する仕方により、mazeに存在する光の各サブバンドが、アレイ先端のスクリーンの所望のスポットに正確に方向付けられる。それが可能なのは、デバイスが光多波長を同時処理できるからである。この点は、UCLAエンジニアが作製した以前の同様のデバイスと違う点である。そのデバイスでは単一波長しか使えなかった。その初期のデバイスは、手書きの数字や衣料品を同定することができ、これは人工知能システムのテストで一般に利用されている。
「その進歩は、モノクロTVからカラーテレビへの移行のようである」と研究チームのリーダー、Aydogan Ozcanは言う。「光の様々な波長を通して色を見ると、情報量が豊富になる。ほとんどのシーンは当然、鮮明な色に情報を含んでいる。したがって、ネットワークが見ることができる波長が多ければ多いほど、それが処理できる情報量はますます増える」。
エンジニアがmazeに入れた光ビームは、光スペクトルのテラヘルツ領域の多くの波長で構成されている。
「この研究の目的の1つは、直感的にわれわれの目と脳の能力を統合する技術の実現である。また、この新しい研究は、その方向への一歩前進である。究極的に、われわれは光コンピューテーションの技術能力を拡大し、人の能力を超えた設計をしたい」と同氏は話している。
そのネットワークは、人工知能(AI)の1分野、ディープラーニング(深層学習)を利用して設計された。DLでは、コンピュータプログラムは、「学習」し、行動や実験の多くの繰り返しに基づいてその反応を調整する。
「伝統的に、研究者は、物理学の知識や直観を利用して、独自の方法で光を利用し、デザインする光迷路を設計する」。「今では、ディープラーニングが、われわれを不意打ちして、これらの問題を解決するための新しい方法を発見させる。正常には思いつかないような方法である。難しい問題に強力で、エレガントなソリューションを提供する、新しい光学デバイスの設計で役立つ」とOzcanは話している。