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有機半導体の材料開発を効率化するシミュレーションに成功

March, 11, 2020, つくば--筑波大学数理物質系の石井宏幸助教他の共同研究グループは、従来の有機半導体の移動度予測では必須とされる単結晶構造の測定データを使わずに移動度を予測するシミュレーションに成功、その有用性を実際の材料を用いて実証した。

プリンテッド・フレキシブルエレクトロニクスのための次世代電子材料として、有機半導体は盛んに研究されている。しかし高性能な有機半導体の材料探索には、候補分子の合成、単結晶作製、トランジスタ作製、移動度評価など何段階ものステップを経なければならず、多くの時間と労力を要する。

共同研究グループは分子の化学構造式と粉末X線回折パターンから単結晶構造と材料特性(移動度など)を短期間で予測するシミュレーション法を開発した。また、このシミュレーション法を高性能な有機半導体分子に適用し、その有用性を実証した。

ここで提案した方法は、有機半導体の移動度予測だけでなく、熱電物性などの機能予測にも拡張可能。この方法により材料開発の加速化が大いに期待される。
(詳細は、http://www.tsukuba.ac.jp)

研究グループ
筑波大学数理物質系の石井宏幸助教、小林伸彦教授、コンフレックス株式会社の小畑繁昭研究員、豊橋技術科学大学情報・知能工学系の後藤仁志准教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科の竹谷純一教授、岡本敏宏准教授、渡邉峻一郎特任准教授。