March, 10, 2020, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)は、超低遅延処理のための高性能な光論理素子を実現した。
電子演算回路は論理ゲートによって構成されるが、演算遅延(レイテンシ)の増大が消費電力と同様に問題となっている。研究グループは、「光の干渉」だけで動作する小型な光論理ゲート“Ψ(プサイ)ゲート”の低損失かつ高速な動作に世界で初めて成功した。この技術により、単一のΨゲートだけで代表的な論理演算(AND/XNOR/NORなど)が、超低遅延かつ波長無依存に実施できる。高速な光変調器との集積により、波長チャンネルごとに独立した演算を割り当てること(波長分割演算)が可能になる。今後パタンマッチング処理や光ニューラルネットワークなど、特定の機能において従来にない超低遅延性を実現しうる、新たな光電子融合情報処理基盤の要素技術となることが期待される。
研究成果は、Communications Physicsオンライン版で公開された。
(詳細は、https://www.ntt.co.jp)