February, 28, 2020, Twente--グラフェンのような2D材料の新しい画期的なコンポーネントを作りたいなら、その品質を評価するツールが必要である。ラマン分光法は、このための至適基準であるが、その主な欠点は、スピードが遅いことである。それとは別に、レーザ光はその2D材料の一部に損傷を与える。トゥエンテ大学の研究チームは、検出にスマートアルゴリズムを付加し、少なくとも50倍高速に機能する「ラマン」を実現し、感光材料に対してより「穏やかに」した。研究成果は、National Science Reviewに掲載された。
グラフェンは、強力で、超薄型、2D材料として常に期待を高めている。それは、情報技術では新しいコンポーネントの基盤ともなる。グラフェンデバイスの評価ニーズは非常に大きい。これは、ラマン分光法を使ってできる。レーザ光を材料サンプルに送り、散乱フォトンから内部の分子の回転や振動がわかる。したがってその結晶構造が分かる。平均、100万から1000万のフォトンがこの方法で散乱させられる。このため、適切な情報の検出が難しいだけでなく、非常に遅い。問題は、ラマンが、依然としてベストのオプションか、あるいはより優れた代替はあるかどうかである。UT研究者Sachin Nair と Jun Gaoは、ラマン分光を出発点とするが、そのスピードを飛躍的に改善しようとしている。その技術自体を変えるのではなく、アルゴリズムを付加することによって改善する。
ノイズリダクション
このアルゴリズムは、信号処理の世界では知られており、主成分分析(PCA)と呼ばれている。それはSNR改善に用いられている。PCAは、ノイズの特性と「実際の」信号の特性を決める。データセットが大きければ大きいほど、この認識はますます信頼が高くなる。つまり実際の信号がますます鮮明に区別できる。それは別にして、最新のラマン計測器は、SNRを改善する電子増幅電荷結合素子(EMCCD)と言うディテクタを備えている。この研究の正味の成果は、1ピクセル処理が1/2秒もかからない、わずか10ms以下となるところにある。シングルサンプルのマッピングは、もはや何時間もかからない。グラフェン酸化物のような脆弱な材料にとって重要な特徴は、レーザ強度が、2~3倍下げられることである。これらは、材料の特性を高速に把握するための大きな前進である。
マルチパーパス
グラフェンは別にして、改善されたラマン技術は、他の2D材料、ゲルマニウム、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、窒化ホウ素にも使用できる。そのアルゴリズムの使用は、ラマン分光法に限られない。AFMや他のハイパースペクトル技術も、それから恩恵を受けられる。
(詳細は、https://www.utwente.nl/)