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センサ用途に有機フォトダイオード開発

May, 21, 2014, Dresden--光コンポーネントは一般に、シリコンのような無機材料でできているが、フラウンホーファー研究所、有機、材料および電子デバイスCOMEDDの研究チームは、染料や色素などの有機材料を利用する有機フォトダイオード(OPD)の開発も行っている。
 「この種のOPDは、無機コンポーネントに対して優位性がある、非常に軽量であり、安価に製造でき、柔軟なアプリケーションに使用できる」とCOMEDDの部門長、Dr. Olaf R. Hild氏は説明している。
 どの材料を選ぶかは、顧客がアプリケーションに選択した波長スペクトラムによって決まる。有機材料は、それぞれ特定の波長域にのみ感度がある、例えば緑の光にのみ反応するかも知れない。したがって適切な材料を選ぶことによって光センサのスペクトラル感度を制御、調整することができる。使える材料はすでに広い波長域をカバーしている。特殊アプリケーション向け、例えばUV、近赤外域には、ドレスデンの研究者が、有機半導体とシリコン技術を組み合わせるコンパクトなマイクロセンサも開発している。
 用途は、カメラや生物分析学向けの微小センサから大きな品質制御アプリケーションまである。例えばラブオンチップ(Lab-on-chip)アプリケーションでは、OPDは、蛍光マーカータグの付いた特定のDNA配列を検出することができる。「この有機フォトダイオードを集積すると、使える表面がより大きくなるので今日のCCDチップの光感度が増す」とHild氏は、ハイエンドカメラの光感度向上に有機フォトダイオードがいかに役立つかを説明している。OPDは、色成分の同質性、ディスプレイなど発光面の輝度分布チェックにも使える。
 シリコンベースのフォトダイオードと違い、OPDは柔軟なコンポーネントでもある。ポリマフィルムに集積して、凹面あるい曲がった面に適用することもできる。