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高出力青色ダイレクトダイオードレーザの波長合成技術を開発

February, 4, 2020, 大阪--パナソニック株式会社(パナソニック)は、高出力青色レーザ光源の開発において、ダイレクトダイオードレーザ(DDL)の波長合成技術(WBC)を用いて高ビーム品質で世界最高出力の実証に成功した。
 これによりビーム品質を保ちながらレーザ光源数を増やして高出力化する事が可能になった。この実証は従来の青色レーザシステムと比較して二桁も高いレーザ強度への扉を開くものである。この技術は、今後自動車産業などで需要拡大が見込まれるファインプロセスの実現に貢献する。

近年自動車産業では「電動化」、「小型化」、「高剛性化」、「デザイン自由度向上」、「生産性向上」などの背景のもと、銅、金、樹脂など種々の材料でファインプロセスを実現できるレーザ加工への期待が高まっている。特に、電気自動車用のモータやバッテリーなどの銅加工においては光吸収効率の高い青色レーザ光源が強く求められている。生産性の高い加工を実現するには、高出力と高ビーム品質を兼ね備えた光源が必要となる。この光源を実現するために、パナソニックは2013年から米・テラダイオード社(TDI)と協業を開始して、複数の波長の異なるレーザビームを1本のビームに重ね合わせることのできるWBC技術を開発した。2014年にはこのWBC技術を用いた赤外波長のDDLを搭載した世界初のレーザ溶接ロボットシステム「LAPRISS」を製品化した。さらに、2017年にはTDIを完全子会社化して、さらなるWBC技術の高出力化や短波長化に取り組んできた。

高ビーム品質青色レーザ(波長帯域=400~450 nm)の高出力化は、複数のバーレーザに形成された100本以上のエミッターからの光をWBC技術によりビーム結合することで実現した。WBC技術では、複数のエミッターから放射された異なる波長をもったビームを波長に応じた角度で回折格子上に重ね、全ビームに共通な部分透過ミラーと各エミッター端面との間で共振させて1つのビームに結合する。この結果、部分透過ミラーから放射されたビームはBPPが1.5 mm・mradという高いビーム品質で、135 Wの高出力を実現した。今後は、この光源を搭載した加工システムの開発およびレーザ加工プロセスの最適化を推進していく。

この技術成果は2月1日~6日まで米国サンフランシスコで開催されているPHOTONICS WEST 2020で発表及び出展している。
(詳細は、https://news.panasonic.com/)