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理化学研究所、吹きガラスの原理でガラス製微小レンズを開発

January, 8, 2020, 和光--理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター集積バイオデバイス研究チームの田中陽チームリーダー、アイサン・ユスフ大学院生リサーチ・アソシエイト、ヤリクン・ヤシャイラ客員研究員らの研究チームは、薄板ガラスに形成した微細空洞中の気体を熱膨張させることで、レンズとして使用できるガラス製の微小ドーム構造を短時間に高精度で簡便に大量作製する技術を開発した。

この研究成果は、次世代産業で重要となる分析用光学素子、マイクロ化学反応や医療向け細胞分離分析検査デバイス、基板組み込み型カメラの高精度マイクロレンズなどへの応用が期待できる。

研究チームは、①ガラス基板上に浅い微小なくぼみを形成する、②カバーガラスを重ねて仮接合し閉じた微細空洞を作る、③吹きガラスの原理を利用して、周囲を真空引きしながら加熱することで空洞中の空気を膨張させる、④ゆっくり冷却するという手順により、設計した寸法通りにガラス微小ドーム構造を形成できることを実証した。今回の試験では、厚さ100マイクロメートル(µm)~250µmのガラス板を用いて、直径30µm~1mmのさまざまな種類の微小ドーム構造を作製し、そのまま使えば凹レンズ(縮小レンズ)、充填液を導入すれば凸レンズ(拡大レンズ)の機能を持つことを示した。また、高温条件下や酸・有機溶媒中でもレンズ機能は失われず、ガラスの性質が保たれることを確認した。

研究成果は、Applied Physics Lettersオンライン版に掲載された。理研は「マイクロレンズ、マイクロレンズアレイ、転写モールド、及びマイクロレンズの製造方法」として特許を出願している。

(詳細は、https://www.riken.jp)