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ハニカム構造が生み出す新しいレーザー発振現象を発見

December, 18, 2019, つくば--NIMSは、ハニカム型フォトニック結晶のトポロジカル特性による新規光閉じ込め現象を発見し、優れた指向性を示す微小レーザの作製に成功した。通信、センサ、加工、DNA操作等の革新的技術開発の要になっている優れたレーザ光源として、幅広い応用が期待される。
 研究チームは、トポロジカル特性を示す発光性半導体フォトニック結晶の周辺を、トポロジカル特性を持たないフォトニック結晶で囲むことで、その境界で光が反射され、中心部に閉じ込められた光モードが増幅する現象を発見した。このアプローチのユニークな点として、フォトニック結晶がトポロジカル特性を持つか持たないかは、三角空孔のハニカム配列をベースに、三角空孔の位置を、ハニカム配列の単位胞の中心からわずかに遠ざけるか近づけるかで作り分けることが可能。このデバイスを用いた室温下での光照射レーザ発振は、微小なデバイスサイズにもかかわらず、共振器面に垂直な方向への優れた指向性を示す。さらに発光閾値などレーザ特性の指標も、IEEEやその他の工業規格を満たすことが確認された。

この研究で示したトポロジカル特性由来のレーザ発振現象は、極小で指向性の優れた固体レーザ光源開発の新たな指針となり、近接場光学顕微鏡や、光渦を利用した光ピンセット等、ミクロな世界のレーザ技術をはじめ、医療・生命科学技術の革新に大きく寄与すると期待される。

研究成果は、Nature Nanotechnologyに掲載された。
(詳細は、https://www.nims.go.jp)