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光照射によりリチウムイオンバッテリ充電を高速化

November, 5, 2019, Lemont--米国エネルギー省(DOE)アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)の研究チームは、電気自動車向けリチウムイオンバッテリの充電を高速化する新しいメカニズムを報告した。カソードを集中光に晒すだけ、例えばキセノンランプの白色光に晒すだけで、バッテリ充電時間を2倍以上短くする。商用化されれば、そのような技術は電気自動車にとって大変革となる。

電気自動車のオーナーは、「走行不安症」を十分に認識している。充電レベルが低下したり、最寄りの充電ステーションの場所が遠すぎるように思える時である。そのような車輌が運輸市場の大きな部分を占めるようになると、高速充電は、重要な課題となる。電気を使い果たした電気自動車への充電は、一般に約8時間かかる。

スペシャル・スーパーチャージングステーションは今でも存在する。これらは、バッテリに非常な高電流を供給することで電気自動車に超高速充電する。しかし、短すぎる時間に過電流を供給すると、バッテリ性能を劣化させる。

一般に、自動車用リチウムイオンバッテリは、完全な電気化学反応を得るためにゆっくりと充電する。この反応は、酸化物陰極からリチウムをとって、それをグラファイト陽極に挿入することに関与する。

「高電流から電極を損傷することなく、この充電反応を大幅に短縮したかった」と化学サイエンス・工学部門のグループリーダー、Christopher Johnsonは話している。

今日のリチウムイオンバッテリは、電極をケースに入れて、暗状態で動作する。アルゴンヌの光アシスト技術は、透明なケースを使用する。これにより、充電中に集光をバッテリ電極に照射できる。

充電プロセスを精査するために、研究チームは、透明なクオーツウインドウを持つ小さなリチウムイオン電池(コインセル)を作った。次に、そのウインドウを通してカソードを照射する白色光のあり、なしでこれらの電池をテストした。
「われわれは、充電中、白色光は、一般的カソード材料と良好に相互作用すると仮定した。また、われわれの電池テストでは、それが事実であることを証明した」とJohnsonは言う。カソード材料は、リチウムマンガン酸化物、LiMn2O4 (LMO)である。

この良好な反応のカギとなる要因は、光とLMOとの相互作用、これは光と相互作用することで知られている半導体材料。充電中に光の中でフォトンを吸収し、LMOの中の元素マンガンは、三価から四価(Mn3+ to Mn4+)へ、その電荷の状態を変える。反応では、リチウムイオンは、フォトン励起プロセスなしで起こるよりも、高速に排出される。

この条件がバッテリ反応を高速にする。研究チームによると、その高速化された反応は、高速充電となり、バッテリ性能の劣化はなく、サイクル寿命も劣化しない。「われわれの電池テストは、光を照射しているとき、充電時間を半減させることを示した」とJohnsonはコメントしている。
(詳細は、https://www.technology.org/)