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グラフェンディテクタ、宇宙望遠鏡を変革

October, 11, 2019, Chalmers--チャルマーズ工科大学(Chalmers University of Technology)の研究チームは、グラフェンから作られたディテクタを実証した。これは次世代宇宙望遠鏡で使われるセンサを変革するものである。研究成果は、Nature Astronomyに発表された。
 超伝導の他では、超高感度で高速のテラヘルツディテクタを天文学向けにするための要件を満たせる材料はほとんどない。チャルマーズの研究チームは、特注グラフェンがTHzヘテロダイン検出に新たな材料パラダイムを付加することを示した。「グラフェンは、事実上電子がなくても優れた電気/熱導体であり続ける唯一知られている材料かもしれない。われわれはグラフェンで、電子受容分子をグラフェン表面にアセンブリすることで、ほぼゼロ電子シナリオ、いわゆるディラックポイントを達成した。われわれの成果は、ディラックポイントまでドープしたとき、グラフェンがTHzヘテロダイン検出向けの非常に優れた材料であることを示している」と量子デバイス物理学研究所、論文の筆頭著者、Samuel Lara-Avila准教授は説明している。
 詳しくは、実験デモンストレーションはヘテロダイン検出に関わる。そこでは、グラフェンを使い、2つの信号が統合あるいは混合される。1つの信号は、既知のTHz周波数で高強度波で、局所光源(LO)によって生成された。第2は、宇宙から来る波を真似た弱いTHz信号である。グラフェンは、これらの信号を混合し、次に著しく低いギガヘルツ周波数出力波を生成、いわゆる中間周波数である。これは、標準の低雑音GHzエレクトロニクスで解析可能である。中間周波数が高くなればなるほど、ディテクタはますます高帯域になると言われている。これは天体内部の動きを正確に特定するために必要とされている。
 THzとミリ波研究所教授、Sergey Cherednichenkoは、「われわれの理論モデルにしたがい、このグラフェンTHzディテクタは、重要な1~5THz域で量子限界動作に達する可能性がある。さらに、その帯域は20GHzを超える可能性がある、これは最先端の技術が提供する5GHzよりも優れている」とコメントしている。
 グラフェンTHzディテクタのもう1つの重要な側面は、LOに必要とされる極低パワーである。これは、微弱THz信号の信頼できる検出達成のためであり、超伝導が要求するよりも数桁低い。これにより量子限界THzコヒーレントディテクタアレイが可能になる、したがって、宇宙の3Dイメージングに扉を開くことになる。

(詳細は、https://www.chalmers.se)