October, 9, 2019, Houston--ナノコンポジットが強い光からの保護、高速光ネットワーキング容量拡大に有望である。
国際研究チームは、ドローン、偵察カメラおよび他の装置をレーザ攻撃から守る新しい方法を報告した。レーザ攻撃は、装置の動作を停止させたり、破壊でき、その能力は光制限として知られる。
研究成果は、Nature Communicationに掲載されている。その研究は、エレクトロニクスを使用しない優れたテレコムスイッチング方法を説明している。その代わりに、オールオプティカル方法が用いられ、インターネット通信のスピードと容量を改善することができる。それを使うことで、4G LTEから5Gネットワークへの移行における障害を取り除くことが可能になる。
研究チームの報告によると、自然発生的なバクテリアが生成するテルルナノロッドを使って作られる物質が効果的な非線形光学材料となり、高強度光バーストに対する電子デバイスを保護することができる。このような光バーストには、航空機、ドローン、他のクリティカルシステムを標点にした安価な家庭用レーザによる放出光も含まれる。研究チームは、その材料について説明しており、次世代オプトエレクトロニックおよびフォトニックデバイスに選択すべき材料として、その性能を説明している。
ヒューストン大学物理学教授、論文著者の一人、Seamus Curranによると、ほとんどの光学材料は化学的に合成されており、生物学ベースのナノマテリアルは、安価で毒性が少ないことが証明されている。「われわれは、その材料の製造が安価で、容易、単純な方法を発見した」。
その新しい成果は、Curranのチームの初期の研究から発展したものである。これは、トリニティカレッジダブリンのWerner J. Blau、Ron Oremland、U.S. Geological Surveyとの協力によるものである。Curranは当初ナノコンポジットを合成して、フォトニクス界におけるその可能性を調べた。その研究で同氏は、米国と一連の国際特許を持つ。
研究チームによると、バクテリアを使ってナノ結晶を作ることは、環境に優しい合成ルートを示唆するものであり、同時に素晴らしい成果を生み出す。「この材料の非線形光学計測は、Mie散乱過剰時間および波長範囲により引き起こされた強力な過飽和吸収と非線形光減衰を明らかにする。いずれの場合も、テルル(Te)粒子は、グラフェンと比べて優れた光非線形性を示す」と研究チームは説明している。
Cruuanによると、レーザ放射のような高強度光は、ある材料には、予測できない偏光効果をもたらす。物理学者は、その効果に耐えることができる適切な非線形材料を探していた。1つの目標は、光強度を効果的に低減できる材料である。これにより、その光による損傷を防げるデバイスの開発が可能になる。
研究チームは、電気-光スイッチ構築のために、生物学的に生成されたテルル元素ナノクリスタルでできたナノコンポジットとポリマを利用した。これは光ビームの変調に使う電気デバイスであり、レーザによる損傷を免れる。
Oremlandの説明では、現在の研究は30年前の基礎研究から発展した、セレナイト吸収バクテリアの最初の発見、また、バクテリアがセレニウム元素の個別パケットを形成するという事実が起源である。「そこから、周期表に戻り、テルルオキシアニオンで同じことができることが分かった。テルルがナノフォトニクスの世界に潜在的なアプリケーションを持っていたという事実は、予期せぬ驚きであった」と同氏は話している。
生物学的に生成されたテルルナノロッドは、中赤外域のフォトニックデバイスアプリケーションに特に適している。「この波長域は、ホットな技術トピックになっている、バイオメディカル、環境およびセキュリティ関連センシングだけでなく、レーザ処理に有用であり、光ファイバ通信、フリースペース通信の新たなウインドウを開くためにも使えるからである」とBlauは説明している。
われわれは、オールオプティカルスイッチで使うためにその材料の可能性を継続して拡張していく。これは、ブロードバンド容量拡大で重要であるとCurranは考えている。「われわれは光ファイバに膨大な投資を必要としている。もっと大きな帯域とスイッチング速度を必要としている。オールオプティカルスイッチは、それができる」とCurranは考えている。