October, 7, 2019, 仙台--東北大学多元物質科学研究所の矢代航准教授は、高輝度光科学研究センターの研究グループとの共同研究により、X線反射率法と呼ばれる方法と、X線用の回折格子を用いた新しいイメージング法(X線回折格子干渉法)を組み合わせることにより、画像検出器の空間分解能を1000~1万倍上回るnmオーダーの構造情報を非破壊で定量的に取得することに成功した。
研究成果の要点
・レントゲン撮影に代表される透過X線イメージングの空間分解能は、画像検出器の空間分解能で決まり、一般に10~100 μmのオーダー。通常、空間分解能よりも高いスケールの構造情報は取得できない。
・研究では、従来から用いられてきたX線反射率法と呼ばれる方法と、X線用の回折格子を用いた新しいイメージング法を組み合わせることにより、画像検出器の空間分解能を1000~1万倍上回るnmオーダーの構造情報を非破壊で定量的に取得することに成功した。
・mmオーダー以上の広い視野にわたって構造情報の空間的な分布を可視化でき、実験室のX線源の利用も可能。従来の方法よりも信頼性の高いことも実証されたことから、光学素子の精密評価など、様々な応用展開が期待される。
研究成果は、Springer Nature社の学術誌「Scientific Reports」にオンライン公開された。
(詳細は、http://www.tohoku.ac.jp)