September, 20, 2019, つくば--筑波大学エネルギー物質科学研究センターの羽田真毅准教授と東京大学大学院工学系研究科の山口大輔大学院生、加藤隆史教授らは、液晶の中にあるアゾベンゼンの分子が、光を照射されると瞬時(100億分の1秒)に集団的に運動する現象を初めて観測することに成功した。
この応答速度は、従来考えられてきた光照射による液晶中の集団的な分子運動に比べ、1万倍以上も速いという結果であった。さらに照射する光を制御することにより、分子の並びを狙った方向へと揃えられることを示した。
岡山大学及び東京工業大学のグループとの共同研究で、1兆分の1秒の時間分解能と原子空間分解能を持つ超高速時間分解電子線回折法を活用した成果。
分子は多数集まることで、分子一つ一つでは考えられないような機能や性質を示すことがある。これを分子機能集合体と言う。今回の知見は、光を用いた分子機能集合体(分子分子ロボットや人工組織など)への応用に大いに役立つと期待される。
研究成果は、「Nature Communications」のオンライン版に掲載された。
(詳細は、https://www.nature.com/articles/s41467-019-12116-6)