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ハーバードSEAS、初のレーザ無線送信器

July, 17, 2019, Cambridge--国立科学アカデミーのプロシーディングスに発表された論文によると、ハーバードSEASの研究チームは、マイクロ波を無線放出、変調し、外部無線周波数信号を受信するレーザを実証した。

「研究成果は、新しいタイプのハイブリッド電子-フォトニックデバイスに扉を開く。また、超高速Wi-Fiへの第一歩である」と論文のシニアオーサ、Federico Capassoはコメントしている。

この研究は、Capasso Labの以前の成果から出たものである。2017年、研究チームは、量子カスケードレーザ(QCL)の赤外周波数コムを使ってテラヘルツ周波数を生成することができた。THzは、現在のワイヤレスよりも数100倍高速にデータを転送する、電子スペクトルのサブミリ波である。2018年、チームはQCL周波数コムも集積送信器または受信器として機能し、効率的に情報をエンコードできることを確認した。

今回、研究チームは、レーザ周波数コムからワイヤレス信号を抽出、伝送する方法を考案した。

単一光周波数を放出する従来のレーザと違い、レーザ周波数コムは同時に複数の周波数を放出する。これは、櫛の歯に似た等間隔になっている。2018年、研究チームは、レーザ内部で、光の異なる周波数がビートしてマイクロ波放射を生成することを発見した。レーザキャビティ内部の光が、電子をマイクロ波周波数で振動させる、これらは通信スペクトル内である。

「このデバイスをWi-Fiに使用するなら、有益な情報をマイクロ波信号に入力し、その情報をデバイスから抽出できなければならない」と論文の筆頭著者、SEASポスドクフェロー、Marco Piccardoは話している。

その新しいデバイスがマイクロ波信号を伝送するために必要な最初のものはアンテナであった。チームは、デバイス電極上部にギャップをエッチングし、ダイポールアンテナを作製した。次に、その周波数コムを変調して、コムの光ビートで作成したマイクロ波放射に情報をエンコードした。次に、アンテナを使い、エンコードされた情報を含むマイクロ波をデバイスから放出した。電波信号は、ホーンアンテナで受信され、選別されてコンピュータに送られる。

研究チームは、レーザ無線が信号を受信できることも実証した。チームは、別のデバイスからのマイクロ波信号を用いて、レーザの挙動を遠隔制御することもできた。

「このオールインワン、集積デバイスは、ワイヤレス通信に非常に有望である。テラヘルツワイヤレス通信の夢はまだ先であるが、この研究は、そこへ至る方法を示す明確なロードマップである」とPiccardoはコメントしている。

ハーバード技術開発オフィスは、このプロジェクトに関連する特許を保護し、商用機会を探求している。