July, 12, 2019, Cambridge--Harvard John A. Paulson School of Engineering and Applied Sciencesのナノスケールオプティクス研究所は、超効率集積フォトニック回路開発のためのチェックリストを素早く追い詰めている。
まず、リチウムナイオベートを使い高性能光微小構造の製造技術を開発した。次に、集積周波数コンバータ、集積変調器、集積回路に光を蓄積してその周波数を電気的に制御するプラットフォームを設計した。最近では、オンチップ、電気駆動周波数コムを設計した。
今回、SEASの電気工学・応用物理学教授、Tiantsai Lin教授、Marko Loncarをリーダーとする、研究チームは、チップスケール周波数コムシステムを開発した。これはコムを生成するだけでなく、同じチップでそれを操作できる。
「この研究の前には、われわれはオンチップ周波数コムを作製したが、チップからの信号を移転し、信号のさらなる操作のために、通常、大きくて高価なオフチップコンポーネントを使わなければならなかった。今回、全てのこれら付加機能をコム生成器と同じチップに統合できるので、一つのチップで多くの多様なコムアプリケーションを実現できる」と香港市大学准教授、SEASポスドクフェロー、Cheng Wangはコメントしている。
研究成果は、Nature Communicationsに発表された。
光周波数コムは、多数の光周波数を同時に放出するレーザ。各周波数が精密間隔で櫛の歯のように分離されている。研究チームは、カー(Kerr)周波数コムとして知られる特殊タイプ生成に焦点を当てていた。これは、光学時計、分光計から通信や量子情報処理まであらゆるものに広範なアプリケーションを持つ。これらの周波数コムは、先行的にオンチップで生成されたが、研究者は、コムを操作するために必要なコンポーネントの組込にも苦労していた。
そこにリチウムナイオベート(LN)が登場してきた。
Loncarのラボは、集積フォトニクスのプラットフォームとして薄膜LNの利用を開発している。その独自の電気-光特性が、オンチップ周波数コム生成と、その操作の両方を可能にする。
「Kerr周波数コムがLNプラットフォームで生成されるのはこれが初めてである。Kerrコムの生成、フィルタリングと変調の全てが同じチップ上で実現されるのも初めてである」とChengは言う。
「モノリシックLNチップに明確なフォトニック機能を集積できることを示した。これは、分光学、データ通信、測距や量子フォトニクスにおける新しい世代のマイクロコムアプリケーションにつながる」と研究のシニアオーサ、Loncarはコメントしている。