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宇宙から大気の粒子を分析する有望なアプローチを指摘

July, 2, 2019, Wahshington--新たな分析により、大気の成層圏で、微小粒子、エアロゾルの地球規模モニタリングには、先進的サテライトベースの測定能力が必要とされていることが分かった。約12km上空の成層圏のエアロゾルは、火山の噴火後激しく増加し、地球の気候変化につながり、短期および長期の気候変動を予測するために設計された科学モデルをテストする重要な機会を提供する。
 ニューヨーク、NASA 宇宙研究Goddard Instituteとキエフ、ウクライナの国立化学アカデミ(National Academy of Sciences in Kyiv, Ukraine)の研究者は、研究成果をOptics Expressに発表した。
 火山が噴火すると、大量の灰や硫酸粒子が地球全体を覆い、陽光の多くを遮り、一時的に地球が冷却される。研究チームは現在、このブランケット効果を使って、成層圏に人工エアロゾルを注入することで地球温暖化に反撃できるかどうかを研究している。そのような地球工学的プロジェクトでは、成層圏の人工粒子の量とサイズ、結果としての気候への影響のモニタ方法も必要になる。
 「自然および人工の成層圏エアロゾルの地球規模の性質は、特殊地球軌道上の計測器が、粒子の特性や分布についての包括的な情報を得るために必要であることを意味する。この情報は、気候モデルのテスト、潜在的な地球工学プロジェクト、主要な火山噴火による気候変動モニタリングにとって重要である」とウクライナ国立科学アカデミィ、Janna Dlugachはコメントしている。

宇宙からエアロゾルをモニタリング
 次の10年、NASAは、地球のエアロゾルや雲をモニタする特殊ミッション実施を計画している。このミッションは、大気や地球表面によって反射される陽光の明るさだけでなく、光の偏光を計測する計測器を含む。これらは、エアロゾル粒子のサイズ、成分、量につい豊富な情報を持っている。
 「この未来の分光計の技術特性は、現在科学コミュニティで活発な議論のテーマである。われわれの論文は、この議論に、低い大気圏のエアロゾルだけでなく、成層圏エアロゾルのモニタリングの必要性を持ち込んだ。成層圏のエアロゾルは、大きな火山噴火、大規模な地球エンジニアリングプログラム実施の場合、気候システムの大きな部分になるからである」とNASAの研究チームメンバー、Michael Mishchenkoは説明している。
 軌道上の計測器による反射陽光の計測は、通常、明るい水雲、地表、地上に最も近い大気である対流圏にあるエアロゾルが主役になっている。「成層圏エアロゾルが極少なく、したがって対流圏エアロゾルに比べて重要でないとき、これは問題にならない。しかし、火山噴火あるいは地球工学的活動の場合、成層圏のエアロゾルからの光を分離することが重要になる」とDlugachは説明している。

成層圏のエアロゾル分離
 新しい研究では、今後のエアロゾルモニタリング軌道上計測器は、1.378 µm中心の狭スペクトルチャネル内で計測すべきであると研究者は主張する。「この波長では、対流圏の水蒸気は、雲、地表および対流圏エアロゾルから散乱する陽光をほぼ完全に吸収できる。これにより、われわれは成層圏エアロゾルの特性を、対流圏エアロゾルの特性から分離して推論できる」とMishchenkoは説明している。
 研究チームは、成層圏のエアロゾル計測の最良の方法を決めるためにシミュレートされた計測を利用した。現実的な成層圏エアロゾルモデルを使い、これらのエアロゾルが空間に反射する陽光の理論的明るさと偏光の計算を始めた。次に、実際のサテライトデータから得られる誤差を模擬した計算誤差を加えた。結果として得られた情報から、研究チームは、いくつかのタイプの現実的な計測をシミュレートし、成層圏エアロゾルの量、サイズ、成分を決定できるだれの情報がどれから得られるかを決定する。
 「光の明るさだけを計測することから成層圏エアロゾルのを推論できないことが分かった。われわれの分析が示唆するところは、今後のエアロゾルモニタリング宇宙ミッションは、1.378-µm波長で多数の角度で地上の正確な偏光計測ができる計測器を含むべきであるということだ」とDlugachはコメントしている。
 下層大気および表面からの光を相殺するために、強力な水蒸気吸収チャネルが必要である。同時に、多数の角度から正確に偏光を計測することで、成層圏エアロゾルについて詳細な情報が得られる。
 次に、研究チームは、計測器設計に追加の必要条件を課す、より厳しい観察条件を分析する計画している。また、同じ軌道プラットフォームからの偏光観察とLiDAR観察の統合が、一定の条件に有益であるどうかを決定したいと考えている。