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光ケーブルを地震センサとして利用

May, 22, 2019, Zurich--ETHの地球科学と地質工学チームは、氷河内部とその動きの詳細な調査ができるローヌ氷河で新しい方法を試した。この新技術の効果は予想以上だった。
 ETH-Zurich(Laboratory of Hydraulics, Hydrology and Glaciology)の研究チームは、光ファイバを使ってローヌ氷河で初のフィールド試験を実施した。目的は、将来的に氷河を調べ、その内部成分、容積と動きについて結論を得ることである。
 ファイバオプティクケーブルを使い、短レーザパルスをケーブルに通すことで振動を計測することができる。ケーブルに沿った微小な不純性が,レーザビームを特殊な方法で分散させる。ケーブルに変化がなければ、分散信号は同じままである。地震活動に応じてケーブルが延びると、分散信号は変わる。

 研究チームが使用したケーブルは1km長で、1メートル毎に規定の測定点を持つ。この方法で研究チームは、数100の高価な地震計を置き換え、手間をかけず、少ないインフラストラクチャでより多くの計測データをとることができる。

光ケーブルは、地震計の代わりに使い地震活動を計測できることが最近、他の研究者によって示された。「しかし、特に適しており興味深い研究対象であるとは言え、氷河でこの技術を試した者はいなかった」とETH-Zurichの地球物理学教授、Andreas Fichtnerは言う。

「実験はうまく行った。驚いたことに、光ケーブルは、期待以上に氷河の地震を良好に記録した。この技術を氷河で試した者はだれもいない。特に気候変化に関連して適切な、興味深い研究対象であるにもかかわらず」とFichtner教授は話している。

実験を実施するために、研究チームは光ケーブルをローヌ氷河面に配置した。陽光で暖まり、ケーブルは雪の中に溶け込み、埋まった。「それが要点である。ケーブルは表面下にしっかりと埋設されている必要があるからだ」。制御目的では、研究チームは、爆発を起こして、計測できる地震波を始動させた。

Fichtnerによると、この新しい方法には膨大な可能性がある。これらの計測システムが必要とするハードウエアは著しく少ないので、地震計の設置が高価になりすぎる、例えばヒマラヤ山脈の氷河など、遠隔域で、利用できる。今後、研究チームはデータを分析し、このアプローチを続行する価値があるかどうか、テストが本当に当てずっぽうでなかったかどうかを見極める。
(詳細は、https://www.ethz.ch)