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ホログラフィックディスプレイの視野角を広げるピンホール

April, 25, 2019, Seoul--Nature Communicationsに発表された論文によると、KAISTの研究チームは、動的、マルチカラー3Dホログラフィック画像を投影する超薄型ディスプレイを設計した。
 同システムの重要コンポーネントは、LCDパネルの各ピクセルに精密に対応した微小孔で満たされたチタン薄膜である。この膜が「フォトンシーブ」(photon sieve)として機能する。各ピンホールがそれから広く出る光を回折し、広角度で見ることができる高精細3D画像となる。

システム全体は非常に小さい。解像度1024×768、1.8インチ市販LCDパネルを使う。パネル裏面に取付けたチタン膜は、わずか300nm厚である。

「われわれのアプローチは、ホログラフィックディスプレイが、携帯電話のような薄型機器から投影可能であることを示している」と研究リーダー、KAISTの物理学者、YongKeun Park教授は説明している。研究チームは、動く3色キューブのホログラムを生成して、そのアプローチを実証した。

具体的には、平行光線でできた異なる色のレーザビームを小さなLCDパネルに向けることで画像が生成される。フォトンシーブは、LCDパネルの各ピクセルに対して一つの孔を持つ。孔は、ピクセルアクティブエリアに精密に対応するように位置決めされている。そのピンホールが光を回折し、3D画像を生成する。

Park教授のグループの以前の研究は、同じ目的で光ディフューザを用いたが、デバイスのサイズが大きく、操作が難しかった。また、キャリブレーションに多くの時間がかかった。それに対して、現在の研究では、研究グループがフォトンシーブを調整して、3Dホログラフィックディスプレイ用に、簡便でコンパクト、スケーラブルな方法を実証した。この技術は、直ちに既存のLCDディスプレイに適用できる。

ホログラムのアプリケーションは、煩瑣な技術、高い計算要求、質の悪い画像によって制約されていた。現在の技術を改善すると、アプリケーションの幅が広がる。メガネを使う必要がない3D映画視聴、TVやスマートフォンスクリーンでホログラフィックビデの視聴などである。