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NIST、ナノワイヤLEDの365nm強度増強

March, 26, 2019, Gaithersburg--特殊シェルによって、単純なシェルデザインに基づいた同等LEDよりも5倍の光強度を出力するUV LEDをNISTのナノワイヤの第一人者が実現した。
 UV LEDは、利用アプリケーションが増加している。ポリマ硬化、水の浄化、医療殺菌など。Micro-LEDも画像表示で関心が高い。NISTのスタッフは、ナノワイヤベースのLEDでスキャニングプローブチップの実験を行っている。狙いは、エレクトロニスおよび生物学的アプリケーション。
 新しい高輝度LEDは、NISTの高品質GaNナノワイヤ技術からの一つの成果である。近年、研究チームは、シリコンドープGaNでできたナノワイヤコアで実験を実施していた。これは、余分な電子を持ち、マグネシウム添加GaNでできたシェルで囲まれている。ここには、消失した電子の代わりに過剰「ホール」がある。電子とホールが結合するとエネルギーが光として放出される、つまりエレクトロルミネセンスとして知られるプロセスである。
 NISTグループは以前、ホールと再結合するためにシェル層に注入された電子により発光するGaN LEDをを実証した。新しいLEDは、シェル層に微量のアルミニウムを加えており、これにより電子オーバーフローからの損失および光再吸収を減らす。
 Nanotechnologyに発表したように、高輝度化したLEDは、いわゆる“p-i-n”構造のナノワイヤから作られる。つまり、電子とホールをナノワイヤに注入する3層設計である。そのシェルにアルミニウムを加えることで、電子をナノワイヤコアに閉じ込め、エレクトロルミネセンスを5倍にする。
 論文の筆頭著者、Matt Brubakerは、「アルミニウムの役割は、電流への非対称性導入である。これにより、電子がシェル層に流れなくなる。つまり、効率低下にならない。その代わりに、電子とホールをナノワイヤコアに閉じ込める」と説明している。
 ナノワイヤテスト構造は、約440nm長、シェル厚は40nm程度。最終的なLEDは、シェルを含め、10倍程度大きい。研究グループは、作製された構造に加えられるアルミニウムの量はナノワイヤ径に依存することを確認した。
 Kris Bertnessによると、少なくとも2社がナノワイヤベースのmicroLEDを開発しており、そのうちの1社とNISTは協力R&D契約を結んで、ドーパントや構造的キャラクタリゼーション法を開発している。研究グループは、NIST LEDをプローブチップに使用することについて、スキャニングプローブ会社と打ち合わせを行った。また、NISTは、プロトタイプLEDツールのデモンストレーションを行う計画である。
(詳細は、https://www.nist.gov)