March, 25, 2019, Pasadena--Caltechの研究チームは、光だけを使って物体を空中浮揚させ、推進する方法を設計した。これは、物体表面に特殊なナノスケールパターンニングを作製することによって可能になる。
まだ理論であるが、この研究は、光だけを動力、加速力にして、最も近い太陽系外の惑星に20年で到達する宇宙船開発への一歩前進である。
研究成果は、Nature Photonicsに発表された。研究は、Caltechの工学・応用科学学部の応用物理学/材料科学Howard Hughes教授、Harry Atwater研究室で行われた。
数十年前、光ピンセットが開発され、鋭く集光されたレーザビームからの放射圧を使ってナノ粒子のような微小物体を動かしたり操作したりすることができるようになった。この研究は、2018年ノーベル物理学賞のベースになった。しかし、光ピンセットは、極小物体を非常に短い距離で操作できるに過ぎない。
新しい研究では、多くの多様な形状、サイズ、マイクロメートルからメートルまでのサイズを、光ビームで操作できる。カギは、物体表面に特殊なナノスケールパターンを形成することである。このパタニングが光と相互作用し、物体が摂動を与えられた時に立ち直り、それを光ビームの中に維持しようとする回復トルクを作る。こうして、強く集光されたレーザビームを必要とするよりも、物体のパタニングが、それ独自の安定性を「エンコードする」ように設計されている。その光源は、数100万マイル離れて設置することも可能である。
Harry Atwaterは、「マクロな物体を空中浮揚させる方法を考案した。この技術を新世代の宇宙船の推進手段として使うという独創的で、興味深いアプリケーションがある。それの実行は、実際にはかなり先であるが、われわれは現在、その原理をテストする過程にある」と話している。
理論的に、この宇宙船は、ナノスケール構造でパタニングされ、地球に設置されたレーザ光で加速することができる。燃料を積むことなく、その宇宙船は、超高速、相対論的な速度に達し、他の天体へと飛ぶことができる。
Atwaterは、地球でもその技術を使って、サーキットボードのような、ずっと小さな物体の迅速生産を可能にすることができると考えている。
(詳細は、https://www.caltech.edu/)