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東京大学と夏目光学、回転体型の高精度X線ミラーの製造技術を確立

February, 28, 2019, 東京--目に見える可視の光を反射するミラーは容易に作れるが、レントゲン等で用いる目に見えないX線を反射するミラーは簡単には作ることができない。東京大学大学院工学系研究科の三村秀和准教授、夏目光学株式会社の夏目佳春社長らは共同で軟X線を微小に集光可能な、従来にないタイプの高精度回転体X線ミラーの開発に成功した。このミラーは、チューブ形状をしており内側がX線を反射する面になる。
 この研究では、ミラー形状と反転形状を持つ型を高精度に作製し、同じ精度で形状をコピーすることでミラーを作製する方法を開発した。夏目光学の超精密ガラス加工技術と東京大学の超精密転写技術を組み合わせることで開発に成功し、大型放射光施設SPring-8において高効率な理想的な軟X線集光性能を確認した。
 研究成果である高精度回転体X線ミラーを使うことにより、未知の物質内部の構造や元素を高い分解能で観察することが可能になる。このミラー製造技術は、X線用のミラーに限らず、情報通信や半導体機器用のミラーの製造にも展開が可能であり、日本の精密ものづくり分野に貢献することが期待される。
 研究成果は、東京電機大学で開催される2019年度精密工学会春季大会(2019年3月13日~15日)にて発表される。
(詳細は、http://www.t.u-tokyo.ac.jp/)